離婚した相手とすぐに再婚したい!法律的に問題はない?
離婚は非常にデリケートな問題です。子ども、双方の親なども絡んでくるので、何かと面倒事が多いでしょう。近年、3組に1組が離婚しているという日本ですが、離婚した相手とやっぱり再婚したいと思った場合、再婚できるのでしょうか?今回は、離婚したけれど、同じ相手とすぐに再婚を考えたらどうすればよいのかご紹介します。
離婚した相手とすぐに再婚してもよい
離婚した相手とやっぱりよりを戻したいと思った場合は再婚できるようです。その理由などについて解説します。
現在の日本では、女性は離婚してすぐほかの男性と再婚することができない
まず今の日本では、女性は離婚してすぐにほかの男性と結婚できません。日本の民法第733条に、女性がすぐ再婚できない理由について記載があります。端的にまとめると、女性は離婚のあと100日間は基本的に再婚できないというルールが設けられているのです。
なぜかというと、子どもが産まれた際、離婚する前の前の夫との子どもなのか、新しく再婚する夫との子どもなのかがはっきりしないから。また、離婚後300日以内に生まれた子どもは前の夫との子どもとするという民法772条も存在します。
しかし、2021年に法改正の動きがあり、再婚してから生まれた子どもは再婚相手の子どもとするという制度に変更されるという改正案が出されました。それにともない、100日間は再婚できないという制度も撤廃されることになります。2022年改正案は衆議院で可決、参議院に改正案が送られています。
同じ男性と結婚する場合は適応されないためすぐに再婚できる
2023年2月現在は、まだ女性はすぐにほかの男性と再婚することはできませんが、離婚した前の夫とならすぐに再婚できます。なぜかというと、子どもの父親が明確にできないという問題が発生しないとみなされるからです。
再婚時に苗字を変更することは可能?
結婚につきものなのが、名字の変更です。同じ相手とすぐ再婚したときの名字変更はどのようになっているのか解説します。
復氏で旧姓になる
再婚時、相手の名字を自分の旧姓に変更したいと思った場合は、復氏の手続きを行う必要があります。
自分の名字に変更してもらう
再婚時に相手側に自分の姓に変更してもらうことで、自分の旧姓に名字を変更することが可能です。
戸籍上バツイチになることに変わりはない
同じ人と再婚したら、戸籍の×の記載はなくなるのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、×は消えません。気持ちはバツイチでなくても、戸籍上はバツイチという扱いになります。また、このバツイチという言葉ですが、戸籍の書類欄に×が記載されることからそう呼ばれるようになりました。現在ではコンピューターで戸籍を管理しているので、×ではなく除籍という記載がなされるようになっています。
戸籍には残るが事実を隠すことはできる
同じ人と離婚してすぐ再婚したのがバレると恥ずかしい、困る…といった場合には、本籍地を変更することで、離婚した事実を戸籍謄本から確認することをできなくなります。戸籍謄本を見られたときに、除籍の記載があると困る場合は、本籍地を転籍することを視野にいれてもよいでしょう。ただし、離婚と再婚は手続きに書類の提出や手続きなどやることがたくさんあるため、本当に離婚してよいのかじっくり考えてから行動に移すのが賢明です。
離婚した相手と再婚した場合の子どもの戸籍はどうなる?
離婚や再婚で一番に考えなければいけないのが子どものことです。同じ相手と再婚する場合、子どもの戸籍がどういった扱いになるのか解説します。
離婚時に戸籍の変更がない場合
戸籍は筆頭者の戸籍になるため、離婚しても父親の戸籍に残ったままになります。再婚する場合は戸籍の変更はないので、とくに手続きは必要ありません。
離婚時に戸籍の変更があった場合
離婚時に子どもの戸籍を母親の戸籍に変更している場合は、手続きしなければ母親の戸籍に子どもの戸籍が残ってしまいます。戸籍を父親の戸籍に入れたい場合は、入籍届の提出が必要です。
子どものケアはしっかりと
親の離婚は子どもにとって大きな傷を残す場合があります。離婚で不安な思いをさせたのにすぐに再婚となると、子どもは両親に不信感を抱いてしまう可能性があるでしょう。再婚することになったら、子どもの心のケアを一番に考えましょう。離婚の際に住まいを変更したり名字を変更したりしてしまうと再び手続きをするのが手間です。まずは本当に離婚するのかどうかしっかり話し合いましょう。
まとめ
何か問題があって離婚しても、子どもがいる場合などは交流を持つことが多くなります。そうなると、やっぱり離婚するんじゃなかったという気持ちになり再婚を考えるケースも充分にあり得るでしょう。すぐに再婚するとなると、再婚禁止期間がネックになりますが、同じ相手とする場合は禁止期間が関係ないのですぐに再婚することが可能。
可能といっても、細かな書類提出や手続きが発生するので、まずは本当に離婚するのか、しないのかをお互い考えましょう。名字や戸籍の問題など、手続きが不安な場合は法律事務所に相談すると、分かりやすく説明してくれるので相談してみるものおすすめです。