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アスペルガー症候群の人とは離婚できる?注意すべきポイントとは

公開日:2023/08/01  


配偶者がアスペルガー症候群の場合、日常的なコミュニケーションであってもスムーズにやり取りできず、関係が悪化して離婚を考えるケースが多い傾向にあります。しかし、アスペルガー症候群を理由に離婚できるのか悩んでいる方もいるでしょう。そこで今回は、配偶者がアスペルガー症候群の場合の離婚方法や注意すべきポイントなどを解説します。

アスペルガー症候群とは

そもそもアスペルガー症候群とは、どのような症状がみられるのか解説していきます。

アスペルガー症候群の症状

アスペルガー症候群は発達障害の一つであり、主にコミュニケーションの困難さ、特定の興味や行動の強い執着などが特徴として挙げられます。たとえば、日常会話でなんとなく冗談を言ったり、明確に言葉にしなくてもわかるだろうと、あえて伝えなかったりすることがあるでしょう。言葉以外に態度や視線で表すことで、相手に気持ちを伝えることもあります。

しかし、このような非言語的なサインや表情は、アスペルガー症候群にとっては読み取ることがむずかしくい傾向にあり、とんちんかんな対応や受け答え、対応をしてしまうことがあります。また、非言語的なサインを読み取るのがむずかしいほか、話し方などにも特徴が見られます。たとえば、相手の気持ちが察せず一方的な話したり、他人の発言を中断して話し始めたりするなどが挙げられるでしょう。

そのほか、特定の物事に対して、人並み以上に強い執着を示す傾向もアスペルガー症候群の特徴です。たとえば、特定のトピックやテーマについての知識を深めることに情熱を抱き、食事や睡眠など日常的な動作を忘れて夢中になることがあります。このように、発達障害の一つである配偶者がアスペルガー症候群を持つ配偶者と結婚した場合、日常的なコミュニケーションも容易ではなく、常に理解を示して接することが求められます。そのため、次第に関係が悪化して離婚を考えるケースも少なくありません。

アスペルガー症候群の配偶者と離婚できる?

結論として、アスペルガー症候群を抱える配偶者との離婚は、通常の一般的な離婚手続きと同じように行うことができます。ただし、配偶者が納得してくれれば手続きを進めることができますが、相手が離婚を拒否した場合は離婚が認められないケースがあります。

というのも、アスペルガー症候群であることだけが理由であれば、離婚が認められにくいからです。裁判では、民法第770条に定められている離婚事由に該当しているかどうかが争点となります。たとえば、相手が不貞行為をしていた、3年以上の生死不明、強度の精神病にかかってしまい、回復の見込みがない、生活費を渡さないなどが挙げられます。

このほか、夫婦間の愛情がなくなり、関係が破綻している場合は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」という項目に該当し、離婚が認められるケースもあります。なお、夫婦関係の破綻とは、すでに別居している、過去に何度も離婚の話し合いをしている、一緒に住んでいるものの接触がないなどといった場合に認められやすいといえます。

離婚するうえで注意すべきポイントとは

アスペルガー症候群を抱える配偶者との離婚は、通常の一般的な離婚手続きと同じように行うことができます。ただし、話し合いが成立しない、気持ちを理解できず話し合いがまとまらないといったトラブルに陥ることもあるので、注意点を押さえておくことが大切です。

まず、具体的な説明を心がけることがポイントの一つでしょう。離婚したいことを相手に伝えるときは、傷つけたくないなどを理由にあいまいな表現を使いがちです。しかし、アスペルガー症候群の人は、抽象的な表現や暗黙の了解を理解するのが苦手なので、間接的な伝え方ではなく、はっきりと意見や要求を伝えることようにしましょう。

次に、アスペルガー症候群の人は相手の気持ちを理解するのは苦手なのだと理解しておくことが大切です。すでに理解していると考えがちですが、離婚は感情的になりがちであり、相手の気持ちや立場を理解し合うことが困難となる場合があります。この点についてさらに再認識し、相手に対して冷静に話をするよう心掛けましょう。

また、真剣な話し合いにおいて、話が進まない、気持ちを理解してもらえないといった状況になると、つい感情的になりがちですが、「もともとの性格がこうだから」と割り切ることもポイントです。最終的に離婚が成立することも目的とし、話し合いがスムーズに進まなくても前向きに考えるようにしましょう。

まとめ

アスペルガー症候群の配偶者と離婚する際、基本的に離婚方法は変わりません。しかし、相手が拒否した場合などは、法定離婚事由に該当するかどうかがポイントとなります。また、相手の気持ちを理解しにくい発達障害であるため、思うように話し合いや手続きを進められないケースがあります。その際、曖昧な表現を避ける、相手の状況を理解しておくといった点を踏まえて、落ち着いて話し合いを進めることが大切です。また、夫婦間だけで離婚協議を進めるのがむずかしい場合は、専門家に相談するのも選択肢の一つとして考えましょう。

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