
子どもが独立後に離婚した場合、慰謝料の相場はどれくらい?
子育てがひと段落し、子どもが独立したタイミングで離婚を考える夫婦は少なくありません。その際、気になるのが慰謝料の金額です。長年の結婚生活や積み重ねた我慢があるだけに、どれくらいの慰謝料が認められるのかは重要なポイントになります。本記事では、子どもが成人した後の離婚における慰謝料の目安や判断基準について解説します。
子どもの独立後、慰謝料はもらえる?もらえない?
子どもが成人し、家庭の役目を果たしたと感じたときに離婚を考える方もいるでしょう。その際「慰謝料はもらえるのか」という点が気になるところです。以下では、慰謝料が認められる場合と、そうでない場合についてご紹介します。
慰謝料を請求できるのはこんなとき
慰謝料がもらえるのは「離婚協議で慰謝料の支払いに合意した場合」と「配偶者に法的な離婚原因がある場合」のふたつです。法的な離婚原因とは、婚姻関係が破綻した原因が配偶者にあり、かつその行為が法律上の不法行為に該当する場合を指します。
たとえば、不倫や暴力、悪意の遺棄などがこれにあたります。これらの行為によって精神的苦痛を受けたと認められた場合、損害賠償として慰謝料を請求することが可能です。ただし、証拠や具体的な状況によって判断が分かれるため、法的なアドバイスを受けることも大切です。
慰謝料をもらえない場合もある
慰謝料が認められないのは、配偶者に法的な離婚原因がない場合や、そもそも慰謝料に関する合意が成立していない場合です。また、自分自身に婚姻破綻の原因があると判断されると、慰謝料を請求するどころか、逆に支払う立場になることもあります。
たとえば、自分が不倫をしたり、一方的に家庭を放棄した場合などです。離婚は感情の問題だけではなく、法的な要素も大きく関わるため「慰謝料が当然もらえる」と思い込む前に、事実関係を冷静に見直すことが重要です。
慰謝料の目安はいくら?ケース別に解説
長年の結婚生活の中で蓄積されたトラブルや心の傷がある場合、慰謝料の支払いが発生することもあります。以下では、DVや不倫など具体的な原因別に、慰謝料の相場についてわかりやすく解説します。
暴力や精神的圧力による深いダメージ
パートナーからの暴力(DV)や精神的虐待(モラハラ)を理由に離婚する場合、慰謝料の相場は10〜300万円程度です。また、物理的なケガや明確な被害がない場合でも、継続的なモラハラにより苦痛を受けたと認められれば、10~100万円程度の慰謝料が支払われる可能性があります。
さらに、心身に不調をきたし、うつ病やPTSDなどの診断が下された場合は、その苦痛の大きさが考慮され、相場を超えた高額な慰謝料が認められることもあります。
不貞行為による信頼関係の崩壊
不倫や浮気などの不貞行為が原因で離婚する場合の慰謝料は、一般的に10〜300万円が相場とされています。そのなかでもとくに多いのが200万円前後の金額です。
なお、不倫の期間や頻度、交際相手の認識状況(既婚者と知っていたかどうか)などによって、金額に差が出ることがあります。証拠の有無も慰謝料の額に影響を与えるため、証拠を適切に確保することが重要です。
その他の理由による離婚と慰謝料の幅
夫婦関係の破綻や、悩みの末に精神的な疾患を発症した場合など、明確な違法行為がない場合でも慰謝料が発生することはあります。このようなケースでは、10〜300万円程度が慰謝料の目安とされます。
ただし、離婚理由や状況によって判断は異なり、明確な相場が出にくいことも少なくありません。精神的な負担がどの程度であったかや、婚姻期間、子どもの状況なども考慮されるため、専門家への相談が推奨されます。
離婚や慰謝料で悩んだら!早めの法律相談が安心
離婚や慰謝料の問題は、感情や人間関係が絡むため、ひとりで抱え込むと冷静な判断が難しくなりがちです。納得のいく解決を目指すためにも、法律の専門家である弁護士に早めに相談することが大切です。ここでは、弁護士に相談するメリットやタイミング、相談時の準備について解説します。
感情的なもつれを法的に整理できる
離婚にともなう話し合いでは、どうしても感情が先行し、冷静な判断ができなくなることがあります。弁護士に相談すれば、法的な観点からアドバイスを受けられ、主張すべき点や譲るべき点が明確になるはずです。
第三者としての立場からサポートしてもらうことで、当事者同士では平行線になりがちな話し合いも、落ち着いて整理しながら進めることが可能になります。
慰謝料の妥当な金額がわかる
慰謝料の金額はケースバイケースで異なりますが、自分の状況がどの程度の金額に該当するのかを判断するのは難しいものです。弁護士に相談すれば、過去の判例や実例をもとに、妥当とされる慰謝料の目安を教えてもらうことができます。
また、請求に必要な証拠や手続きの流れについても具体的に説明を受けられるため、準備不足による不利な結果を防ぐことができます。
相談前に整理しておくとスムーズ
弁護士に相談する際は、これまでの経緯やトラブルの内容を簡潔にまとめておくことで、より具体的なアドバイスを受けられます。できれば、LINEやメールのやりとり、暴力や不倫の証拠なども持参しましょう。
また、希望する解決方法(慰謝料を請求したい、できるだけ円満に離婚したいなど)を明確にしておくことで、相談がよりスムーズになります。初回の無料相談を活用するのもおすすめです。
まとめ
子どもが成人し、家庭に一区切りがついた今だからこそ、自分の人生を見つめ直す方も多いでしょう。離婚や慰謝料の問題は、感情だけではなく法律の知識も必要になるため、ひとりで悩まず弁護士などの専門家に相談することが大切です。離婚専門の弁護士などは必ずあなたの味方になってくれます。納得のいく形で前向きな一歩を踏み出すためにも、正しい情報をもとに冷静な判断を心がけてください。