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配偶者の不倫で離婚!不倫相手との交際を禁止することはできる?

公開日:2022/04/01  


パートナーが不倫をしていたとき、配偶者にはパートナーと不倫相手に慰謝料を請求できるほか、再発防止のため接触禁止を要求することもできます。具体的には示談書などで「接触禁止条項」として規定しますが、ここではその内容について、具体的な文例、違約金に相場はあるのか、離婚後も効力が継続するかといった詳細を紹介します。

配偶者と不倫相手に接触禁止を要求

自分の配偶者と不倫相手の関係を知り、両者に慰謝料を請求したうえで離婚せずに結婚生活を継続する際、配偶者が不倫相手との関係を継続しないよう示談書などに接触禁止条項を盛り込みましょう。

ほとんどの場合、離婚しない場合に交わされますが、不倫が原因で離婚するケースでもその相手と再婚してほしくないという理由で盛り込まれることもあります。この条項を設けることで、配偶者が再び同じ相手と不倫をするリスクを軽減できます。

文例は乙=不倫相手、丙=不倫した配偶者とし「乙は丙に対し、今後一切連絡を取らない」「乙と丙はスマートフォン、パソコンなどのデバイスから互いの情報をすべて削除する」といったもので、基本的に期間は設けません。また、接触禁止事項には取り決めた内容に違反した場合に科されるペナルティ(罰金)についても、盛り込まれることがほとんどです。

ペナルティは「接触禁止事項に違反した場合、乙と丙は違約金としてそれぞれが100万円を○○(不倫された側の配偶者名)に支払う」といった文面で記載されます。違約金について規定しておくことで、不倫の慰謝料を受け取っていても、接触禁止に違反した場合は追加で違約金の支払いを求めることが法的に認められるうえ、禁止条項がきちんと守られる可能性を高めることもできます。

不倫をした側は「接触禁止条項を盛り込むので、慰謝料を減額してほしい」という交渉をすることもできるうえ、不倫をされた側は「慰謝料の減額に応じるので、接触禁止事項に同意してほしい」といった交渉を行うことも可能です。

接触禁止条項の違約金の相場

では、接触禁止条項に違反した場合、違約金はいくらくらいが相場になるのでしょうか。結論からいうと、接触禁止条例の違約金に相場はありません。お互いが納得しているのであれば、違約金はいくらであっても設定可能です。

ただ、基本的に慰謝料の金額は、支払う側の支払い能力によって上下します。たとえば違約金を1億円と設定して、配偶者と不倫相手が規定に違反したとしても必ず1億円を受け取れるわけではありません。ない袖は振れないので、経済的に困窮している人に多額の慰謝料を請求したところでそれが実際に支払われることはありません。また、「過大すぎる違約金は無効」という過去の判例もあります。

では、実際のところ違約金はどの程度の金額で設定されていることが多いのかというと、電話やLINEで連絡をとったり、直接会ったりした場合は20~50万円程度、再度不貞行為が行われた場合は100万円程度です。最初の不貞行為では慰謝料の請求を行わず、接触禁止条項に違反したら慰謝料を支払うと取り決めていた場合、この金額は当然より大きくなり200~300万円以上になることもあります。

不倫の発覚時点で慰謝料を請求しないケースは、不倫された配偶者が「交際をやめてくれたら、今回のことは水に流す」としてくれているようなもので、その後の結婚生活を継続したい意向と温情のある対応です。そのため、それに違反した場合はペナルティがしっかりと請求されると思っておいたほうがいいでしょう。

離婚後は接触禁止条項の効力がなくなる

接触禁止条項が効力を発揮できるのは婚姻期間のみで、離婚するとその効力は失われます。婚姻期間中は、配偶者双方が婚姻生活を維持するよう努力する義務があり、不貞は不法行為になりますが、離婚してしまえばその限りではありません。

接触禁止事項として「離婚後も一切の接触を禁じる」等の内容を入れていたとしても、離婚後は無効になるため不倫相手と再婚してほしくないと思っていても接触禁止条項で再婚を阻止することはできません。不倫発覚時に和解の条件として、物理的に接触の機会をなくすことで不倫の再発を防ごうと、不倫相手に会社を辞めることや引っ越しを求めたいと考える人もいますが、これらは「職業選択の自由」「移動の自由」といった憲法で保障されている権利なので、強制することはできません。

不倫をした結果、会社を辞めることや引っ越しを求められているのであればその部分については拒否できるうえ、会社や住居について既に和解条項に盛り込んでいてそれに違反したとしても、違約金を支払う義務は生まれません。

 

接触禁止条項では、ペナルティの規定によって金銭的な負担を明確にしておくことで「魔が差す」を予防できます。法外な金額を規定することはできないうえ、離婚後は効力を失うものですが、離婚せず婚姻関係を継続する場合は接触禁止条項を規定しておくことが精神的な安定材料にもなります。不倫後の和解内容に悩んでいる方は、こちらで紹介した内容も参考にしてみてください。

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