配偶者の体調不良に無関心が原因で離婚できる?改善方法はある?
家族が体調不良になったら心配し、看病しますよね。自分が体調不良になった時、家族の誰が心配してくれますか。妻が体調不良で動けないのに、無関心な夫は意外と多いものです。そんな状況が続けば、相手への信頼もなくなります。今回は、配偶者の体調不良に無関心が原因で離婚できるか、また改善方法についてご紹介します。
体調不良を心配しない配偶者と離婚できる?
妻はどんな時でも家族のために働く、ひと昔前はそんなイメージを持つ人は多くいるかと思います。今は夫婦で家事を分担しあう家庭も増えていますが、妻は家事をやって当たり前という風習は今でも残っています。夫が主夫の場合は、逆かもしれません。いつも家事をしている人が体調不良になった時、配偶者は心配してくれるでしょうか。
心配の言葉もなく「ごはんどうするの」などという配偶者もいます。自分のことしか考えていないのだと、がっかりしてしまいますよね。体調不良で体も心も弱っている時に、こんな思いやりのない言葉をあびせられたら、信頼関係はくずれていきます。これが原因で離婚することはできるのでしょうか。
法的に認められている離婚理由
一般的にあげられる離婚理由は、夫、妻ともに性格の不一致です。それ以外は不倫、身体的DV、精神的DVなどです。
法的な離婚理由は、不貞、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復しがたい精神病、そのほか婚姻生活を継続しがたい重大な事由です。体調不良を心配しない配偶者と離婚したいというのは、この中の法的な離婚理由にあてはまるのでしょうか。
悪意の遺棄にあてはるか考えてみます。悪意の遺棄というのは、婚姻生活を破綻させようと意図的に配偶者を見捨てることです。夫婦の相互扶助義務に違反し、家出をしたり生活費を渡さなかったりする場合です。心配しないというのは、あくまで気遣いできていないだけで、悪意を持って意図的に配偶者を見捨てるということではないため離婚理由として認められない可能性は高いといえます。そのほかもあてはめるのは難しいでしょう。
つまり、離婚理由が体調不良を心配してくれなかったというだけでは、法的な離婚理由として認めてもらうことは難しそうです。しかし、体調不良を心配しないことにより信頼関係がくずれ、夫婦関係が著しく悪化したとなれば、婚姻生活を継続しがたい重大な事由ということになります。具体的には、家庭内別居している、長期間の別居している、お互いに修復の意思がない、体調不良の妻が家事や育児をしないためDVをしたなどの状況までいたれば裁判で離婚が認められる可能性は高くなります。
ただし、法的に認めてもらう必要があるのは裁判の時だけです。離婚をした夫婦のうち、約90%もの夫婦が協議による離婚を選んでいます。協議離婚とは、話し合いのみで離婚をする方法です。話し合いで配偶者が納得すれば、法的に認められる必要ありません。裁判離婚は全体の1%程度です。しかし、配偶者が納得してくれなかった場合も考えて準備しておくとスムーズに話が進みます。
体調不良を心配しない配偶者と離婚するときの流れ
まずは、配偶者に離婚の意思を伝えましょう。その理由と修復は不可能であるとはっきり伝えてください。配偶者が納得してくれなかった場合は、協議離婚になります。協議離婚は、調停委員を間に入れて話し合います。
それでも離婚できなければ審判離婚、裁判離婚と進みます。協議離婚以降は、第三者の目によって客観的に婚姻関係が破綻している判断されなくてはいけません。別居をする、またDVが伴う場合は証拠を集めるようにしてください。別居は配偶者の同意ないまましてしまうと、逆にこちらが「悪意の遺棄」として訴えられることもあるので注意しましょう。
この時点で一度弁護士に相談するのがよいかもしれません。裁判で離婚が認められれば、配偶者の同意なく離婚できます。配偶者の同意が得られるか裁判で離婚が認められたら、離婚届を役所に提出します。この時、養育費など金銭の支払いがある場合は公正証書を作成してください。公正証書があれば、支払いが滞ったら給料を差し押さえることができます。公正証書作成も弁護士に相談するとよいでしょう。
配偶者が夫・妻の体調不良に無関心なときの対処法
離婚を考える前に、配偶者がかわるきっかけをつくってみましょう。
言葉にして伝える
無関心にみえても、どんな言葉をかけていいか、何をしたらいいかがわからない場合もあります。「食事が作れないから、家族みんなのごはんを買ってきて欲しい」など具体的にして欲しいことを伝えます。また察してもらうのではなく、自分の気持ちも素直に伝えるとよいでしょう。
普段から家事や育児を一緒にやる
かわりに家事、育児をしたいけれど何をしていいかわからないと、やってといってくる可能性は高くなります。普段から一緒にやることで、いざという時に最低限のことは任せられるくらいにしておきましょう。
配偶者にも同じように接する
自分の体調不良はアピールしてくるのに、配偶者の体調不良は無関心な人もいます。自分の体調不良の時は心配してもらって当たり前だと思っているのかもしれません。配偶者が体調不良を訴えても心配せず、同じように接してみましょう。同じ気持ちをあじわうことで、対応がかわる可能性はあります。
性格だと思って諦める
性格はそう簡単には治りません。「心配しないのは性格で、治らないもの」と割り切れば諦めをつけることができるかもしれません。
まとめ
体調不良の時に、心配するどころか家や自分のご飯の心配をされたら誰だって嫌な気持ちになります。夫婦は対等に、お互いを尊重しあえる関係でいたいですよね。対処しても治らず、信頼関係がくずれて夫婦関係が修復不可能だと思ったら、まずは弁護士に相談してみましょう。