
養育費を払わない男の心理とは?支払い拒否の理由と対処法

離婚後に養育費を払わない男性は約7割にもおよびます。なぜこれほど多くの男性が子どものための費用を支払わないのでしょうか。本記事では、男性が養育費の支払いを拒む心理的な理由と、確実に受け取るための対処法について詳しく解説します。養育費をめぐるトラブルを抱えている方は最後までご一読ください。
養育費を払わない男性の現実
厚生労働省の調査によると、養育費を受け取っている母子世帯はわずか28.1%です。つまり、約7割の家庭が養育費を受け取れていません。父子世帯ではさらに深刻で、受給率は8.7%にとどまります。
この数字の背景には、取り決めをしていない家庭が多いことがあります。離婚時に養育費の約束をしない母子世帯は54.2%に上ります。しかし、約束をしている家庭でも、継続して受け取れているのは57.7%のみで、途中で支払いが止まるケースが非常に多いのが現実です。
養育費は子どもが健やかに成長するために必要な費用です。衣食住の費用から教育費、医療費まで、子どもの生活全般を支えるお金を意味します。法律上、離婚後も親の扶養義務は続くため、養育費の支払いは義務なのです。
養育費を払わない3つの心理
男性が養育費を払わない理由には、主に3つの心理パターンがあります。
親権を奪われたという不満
もっとも多いのが「親権を取られた」という不満です。離婚時に親権を強く希望したものの、母親に親権が決まった男性は「自分の意見を無視された」と感じます。この結果「母親が勝手に決めたのだから、子どものことはすべて母親が負担すべきだ」という心理になるのです。
実際の調査では、養育費を払わない理由として「親権を取りたかったが取れなかったため、母親側が負担すべきだと思ったから」が最多となっています。親権を失った悔しさが、養育費の支払い拒否につながっています。
面会交流への不満
2番目に多いのが面会交流に関する不満です。「子どもに会わせてもらえないなら、養育費も払わない」という考えをもつ男性が多数います。一方、女性側は「養育費を払ってくれないなら、面会させたくない」と考える傾向があります。
しかし、面会交流と養育費は法律上まったく別の問題です。面会交流は子どもの健全な成長のための制度であり、養育費は親の扶養義務にもとづく支払いです。交換条件にはなりませんが、感情的には理解しにくい部分でもあります。
金銭的な理由と責任逃れ
3つ目は経済的な事情や責任から逃れたいという心理です。収入の減少や再婚による新しい家族への責任転嫁、住宅ローンなどの支払いを理由にする男性も少なくありません。とくに再婚した場合、新しい配偶者や子どもができると「今の家族を優先したい」という気持ちが強くなります。
また、元妻が再婚した場合は「新しい夫がいるから不要だろう」と考える男性もいます。
男性が支払いを拒む具体的な理由
養育費を払わない男性には、さらに具体的な理由があります。
元妻への感情的な対立
離婚時のトラブルや元妻への憎悪が原因で、養育費を払いたくないという男性は多数います。「元妻にお金を渡したくない」という感情が先に立ち、子どものためのお金であることを忘れがちです。
この場合、養育費は元妻に渡すものではなく、あくまで子どものための費用であると理解してもらう必要があります。しかし、感情的な対立が激しいと、なかなか理解してもらえないのが現実です。
再婚相手の養子縁組問題
元妻が再婚し、子どもが新しい父親と養子縁組をした場合、「もう自分が払う必要はない」と考える男性がいます。確かに養子縁組により扶養義務の優先順位は変わりますが、完全に免除されるわけではありません。
また、養子縁組の事実を知らされていなかったり、あえて伝えられていなかったりする場合、「騙された」という気持ちになる男性もいます。このような誤解が養育費の未払いにつながるケースもあります。
住宅ローンなどほかの負担
離婚後も住宅ローンの支払いが続いている場合、「ローンで精いっぱいで養育費まで払えない」と主張する男性もいます。しかし、住宅ローンは本人の資産形成のためであり、子どもの養育費よりも優先されるものではありません。
法律上、養育費は生活保持義務にもとづくもので、自分と同程度の生活を子どもにもさせる義務があります。そのため、住宅ローンを理由にした養育費の減額や免除は、基本的には認められません。
払ってもらうための対処法
養育費を確実に受け取るためには、適切な対処法を知っておくことが重要です。
強制執行による回収
もっとも効果的なのが強制執行による回収です。調停調書や公正証書があれば、相手の給料や預金口座を差し押さえられます。養育費の場合、通常の借金と違い、給料の2分の1まで差し押さえ可能です。
2020年の法改正により、財産開示制度も強化されました。相手の勤務先がわからなくても、裁判所が金融機関などに照会をかけて財産を調べられます。相手が財産開示を拒否した場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰もあります。
家庭裁判所での調停
養育費の取り決めをしていない場合や支払いが滞った場合は、家庭裁判所での調停を利用できます。調停では調停委員が間に入って話し合いを進めます。合意にいたらない場合は自動的に審判に移行し、裁判官が養育費の額を決定します。
また、履行勧告や履行命令という制度もあります。履行勧告は裁判所が支払いを促す制度で、履行命令はより強制力のある命令です。履行命令に従わない場合は10万円以下の過料が科せられます。
まとめ
養育費を払わない男性の心理には、親権への不満、面会交流の問題、経済的な事情などがあります。しかし、どのような理由があっても、子どもの健やかな成長のために養育費は必要不可欠です。支払いが滞った場合は、強制執行や家庭裁判所での調停の活用により、確実な回収が可能です。一人で悩まず、専門家への相談をおすすめします。











