協議離婚の話し合いには弁護士に同席してもらうのがいい理由とは?
離婚の協議を当事者だけでの話し合うことに不安を覚える方も多いでしょう。離婚協議では、財産分与や親権についてなど、お互いに譲れない条件についても話し合わなければならないので、解決できるかどうか心配になるのも無理はありません。
実は協議の場に、弁護士に同席してもらうこともできるのです。第三者で、かつ離婚関連の法律に特化した弁護士の意見があれば、スムーズに協議離婚を解決に導くことができるでしょう。
協議離婚では何を決めるべき?
最初にお互いに離婚をする意思と覚悟があるかどうかをしっかり話し合い確認しましょう。協議が進まず、話を辿ると離婚したいのは自分だけで相手は離婚することを拒否するために協議を遅らせる発言や無理難題な条件を出しているケースがあるからです。
お互いに強い離婚の意思があることを確認したうえで、離婚するにあたり必要なことを話し合います。
協議離婚で話し合うべきこうもくについてみていきましょう。
■慰謝料
離婚において不倫、悪意の遺棄、DVといった有責性が問われる事情がある場合だと「慰謝料」を請求することができます。しかしこのような有責性がなければ、配偶者の離婚後の生活保障、あるいは離婚に繋がるまでの事情次第で「解決金」の支払いを求めることもできるでしょう。
■財産分与
財産分与というと持ち家、預貯金を思い浮かべますがそれだけではありません。車・バイク・パソコンや大型テレビといった電化製品まで財産と考えられるので、どう分け合うのか、処分も含めて話し合いが必要です。
■親権・養育費
夫婦間に子どもがいる場合「親権」や「養育費」についても相談しなければなりません。日本では離婚してしまうと、共同親権は得られないので、どちらが親権を持つか決める必要があり、養育費も話し合わなければなりません。
養育費の相場は、家庭裁判所で「養育費の算定表」というものが採用されています。これで両者の収入を当てはめれば、おおよその数字が算出されるので、あとは話し合いで金額と支払期限・方法・期日を決めます。
弁護士に依頼すべきケース
協議離婚をするにあたって、弁護士を間に挟むべきケースを見ていきましょう。まず相手が離婚に応じないという、離婚の話し合いにならない状況であれば、弁護士に相談して、離婚を決めた意思の固さを示すためにも別居をすれば、相手も離婚を視野に入れるようになるでしょう。
ほかにも「DV」や「モラハラ」を日常的に受けている場合だと、支配関係になっている当事者のみでの話し合いが成立することは、難しいでしょう。弁護士は、相手との連絡から交渉、手続きまで、本人の代理となることができます。
また、相手が別居後に自分のもとへ接近する恐れがあれば、警察へ相談のうえ裁判所に接見禁止命令の申し立てをすることも可能ですが、そういった際に弁護士がいれば手続きもスムーズに進むでしょう。
財産分与やローン、養育費など「金銭面」の話し合いで折り合いがつかない状況においても、弁護士に依頼することで、妥当な金額を提示してもらえるでしょう。たとえば、過去の判例や現在の相場といった、お互いが納得できる要素から、金額を算出してくれます。また、証拠や資料を参考に交渉してくれるでしょう。
弁護士が同席することで得られること
協議離婚において、弁護士に間に入ってもらった場合の利点についても抑えておきましょう。やはり、弁護士の法的な知識の専門家であることが大きいと言えるでしょう。相手が不当な要求をしてきても、それを退けてくれます。
離婚の協議自体は弁護士に完全におまかせすることもできるので、仕事や子育てで忙しい方や、相手と顔を合わせたくない方にとっても、手間が省けて負担を大幅に軽減できるでしょう。相手からの条件があれば、内容の検討にも時間を取られてしまいます。しかしこれらを弁護士に依頼すれば、すべてをスムーズに手続きしてくれるでしょう。
そのほか、離婚の話し合いに相手の親族が介入してより複雑になっている場合も、弁護士に依頼することで、話し合いが進むようになります。いずれにせよ、どちらも自分の主張の正しさを曲げないような事態においては、弁護士の力が必要不可欠です。
まとめ
協議離婚の話し合いの場に第三者がいたほうがお互いも冷静になることができます。その第三者が弁護士であれば、とても心強く頼もしいだけでなく、早期解決に結びつくことはお分かりいただけたと思います。
専門知識がない者同士だと、どうしても自分に有意な主張がぶつかって、話し合いは平行線をたどってしまいます。また、自分の立場が弱ければ、相手にねじ伏せられてしまうでしょう。
そんな場合に弁護士に依頼することで、困難を極める交渉が進展しやすくなります。離婚を考えている方や、離婚協議の最中の方は、一度、離婚弁護士に相談し、これからどのように離婚を決着させるか、明確にするといいでしょう。