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退職金は財産分与に含まれるの?

公開日:2020/07/15  最終更新日:2020/07/08

財産分与は離婚手続きのなかでも需要度が高い部分ですが、手続きを進めていると「これは財産分与に含まれるのだろうか」というように判断するのが難しい財産がいくつか出てくることと思います。特に退職金は、そうした疑問を抱いてしまう財産の筆頭といってもよいでしょう。

扱いかたが難しいように感じる退職金ですが、意外にもその仕組みはとてもシンプルなものなんです。今回はそんな退職金の財産分与についての解説です。

退職金も財産分与に含むことが可能!?

退職金は普通の給与とは違うので分与できないのではと思う人もいるかもしれませんが、実は退職金も財産分与の対象に含まれます。しかし、場合によっては含まれないこともあるので十分に気を付けましょう。

財産分与に退職金が含まれるケースとしては、まず、退職金が既に支払われているという場合が挙げられます。離婚の手続きをする段階ではまだ夫婦のどちらも定年に達しておらず、退職金が支払われていない場合もあるかと思います。既に退職金が支払われているという場合も同様に存在するでしょう。

退職金がもう支払われている場合は、そのお金は夫婦の共有財産となります。共有財産は原則として離婚する際の財産分与に含まれるため、退職金が分与できるというわけです。

また退職金をまだ受け取っていないという場合でも、財産分与に退職金が含まれるケースが存在します。現時点では退職金を受け取っていなくても、受け取ることがほぼ確定しているケースです。

勤務している会社の規定に退職金支払いについての明記があったり、勤続年数がとても長かったりすれば、退職金が支払われないということはほとんどないと言えるでしょう。退職金が支払われることが確実ではない場合は退職金を財産分与に含むことはできませんが、支払われるのが確実であるならば財産分与の対象となります。

分与する割合はどうやって決めるのか

退職金を財産分与に含むことが決定したとしても、分与する金額に合意できないという状況は起こりえます。夫より、もしくは妻より自分のほうが多くなければおかしいのに、というような意見が夫婦間で出たのであれば、分割する割合について話し合いましょう。

どのくらいの割合にするのかというのは、夫婦間で意見がまとまればその割合で決定することができますが、そうならないことも多いのが実情です。そのため、意見が一致しなかった場合は「寄与度」という点を基準にすることとなります。

寄与度というのは夫婦の共有財産を形成するうえでどれだけ貢献したかを表す割合です。この寄与度が大きければ「寄与分」として多くの金額を得ることができます。

しかし、寄与度で算定した割合でも同意できないということはあるでしょう。そうなると調停や裁判を行わなくてはいけなくなりますが、一度調停や裁判などに発展した場合、最大でも退職金の半分までしか分与で受け取ることができなくなってしまうことには注意しておく必要があります。

裁判所などの公的機関を通して決着を付けられる調停や裁判は便利ではありますが、相手よりも多い金額を貰うということが不可能になるので、場合によっては必ずしもよい選択とは言えないでしょう。離婚の手続きを進めるうえでは、できる限り調停や裁判に発展してしまうことは避けられないかと試みるのが大切です。

相手の財産を開示させる必要がある場合も

退職金の財産分与では、分与を行う相手の財産がどの程度なのかということも影響してきます。とはいえ、相手によっては財産の開示を拒否されることもあるでしょう。

そうなった場合は、弁護士照会制度という制度を利用することで開示請求することが可能です。もしくは、調停手続きを進めていくなかで開示を求めることができる場合などもあります。

しかし、どのような場合でも共通して「強制力はない」ということは覚えておかなければいけません。できるのはあくまで開示を求めることだけであって、強制的に開示させることではないのが現実です。

ただ、財産の開示請求を拒否することは犯罪です。もしも正式な開示請求があったにも関わらず拒否した場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という罰を科されることになります。

そのため、たとえ犯罪だとしても絶対に財産を開示したくないという人もいることはいるかもしれませんが、通常は裁判所などを通して開示請求を行えば財産は問題なく開示してもらえることでしょう。

まとめ

離婚手続きの際の財産分与では、退職金もその他の共有財産と同じように分与可能な財産に含まれます。既に退職金が支払われている場合は当然のこと、まだ支払われていなくても、支払われることが確実なら分与することが可能です。

どれくらいの割合で分割するのかは、話し合いで決まればそれで済みますが、合意が取れなかった場合は調停や裁判となります。裁判などでは最大でも分割金額は半分までになってしまうので要注意です。

また、相手の財産というのも退職金の分与には影響してくるため、必要に応じて開示請求などを行うようにしましょう。

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