卒婚とは?家庭内別居や離婚との違いを解説
離婚しようかどうか悩んでいる方はいませんか?自分は別れたいけれど配偶者が離婚に応じてくれないだろうから踏み切れない、子どもがいるから踏みとどまっているなど、離婚したいけれど事情があってできないという方がいます。近年は離婚以外にも卒婚という選択肢があるのを知っていますか?今回は卒婚についてご紹介します。
卒婚とは?
卒婚という言葉を聞いたことはありますか?ドラマや小説のなかで聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
家庭内別居や離婚とは少し異なる、卒婚について解説します。
「家庭内別居」との違い
家庭内別居とは、同じ家に住んではいるけれど顔を合わせないようにする、会話しないといった状態のことをいいます。
食事や寝室は別々で、夫婦としてのコミュニケーションを取らない、家族で出かけない、子どもを介して必要事項を連絡するといったケースになると家庭内別居状態といってよいでしょう。
一方卒婚は結婚したまま、お互いに必要以上に干渉せず自由に生活するといった状態のことをいいます。
家庭内別居は別れたいけれど、経済面や子どものために離婚を我慢しているといった状態なのでストレスがたまります。
卒婚は別れたいほど夫婦関係は破綻していないけれど、お互いに関わりすぎず自分のペースで好きに過ごすといった状態で、割り切った関係といえるでしょう。
「離婚」との違いは
離婚は夫婦関係が破綻してしまって、夫婦として関係を継続できず、婚姻関係を解消することを指します。
戸籍上他人になり、慰謝料や財産分与などを行うことになります。
卒婚の場合、婚姻関係は継続したままお互いにあまり干渉せず過ごします。
別居する場合もあれば、同居のままの場合もあり、夫婦にとってベストな形を探すことになるでしょう。
場合によっては、子どものためにいっしょに旅行に行ったりするなど、形にとらわれず柔軟な対応ができます。また離婚していないので面倒な手続きは必要ありません。
卒婚のメリット
卒婚にはどんなメリットがあるのでしょうか?メリットを知ることで配偶者に卒婚の提案をしやすくなるでしょう。
婚姻関係を継続したままである
離婚するとなると、法的な手続きや財産分与などをする必要があります。
また、一度離婚するとやっぱりよりを戻そうとなったときに、再婚する必要もあるので面倒なものです。
とりあえず卒婚をしてみて、婚姻関係はそのままにしておけば、お互いに干渉しない生活を送ることができます。
仕事が忙しい、単身赴任になった、子どもが反抗期や受験など、大きなイベントがあるとストレスがたまりやすくなるときもあるでしょう。
イライラする時期が続いたら、離婚という大きな話にせず、お互い関わりすぎない期間を持って一定期間卒婚してみてはいかがでしょうか。
夫婦関係が良好であれば、卒婚をやめて夫婦生活を送るスタイルに戻ることもできるうえ、夫婦関係が悪化していったら卒婚から離婚に進むこともできます。
世間体を保てる
離婚すると、名字をそのままにするか旧姓に戻すかといった問題が出てきます。子どもの名字もどうするか悩みどころです。
卒婚は苗字が変わることもなく、離婚の報告を親族や会社にするといったストレスもありません。結婚しているという世間体はキープしたまま、好きなように生活を楽しめます。
住む場所を選択できる
離婚はしないまま卒婚という選択肢を取ることで、住む場所を変更することもできます。
とりあえず同居はしておいて、最低限の関わりを持ちつつ生活するタイプ、週末だけ片方がホテルに泊まったり出かけたりというタイプもあります。
とりあえず距離を置いてみたい場合は、同居か週末別居がおすすめです。
離婚に心が傾いている場合や転勤などのタイミングが重なる場合は、完全に別居というケースもあります。卒婚は別居しながらも、離婚はしていないため世間体はキープできるという利点があります。
卒婚のデメリット
自由な生活が送れるように感じる卒婚ですが、デメリットももちろんあります。
夫婦でルールを決めるなどしてうまく卒婚する必要があるでしょう。
ほかの人と恋愛はできない
卒婚中に配偶者以外の人と恋愛関係になってしまうと、それは不貞行為となってしまいます。
配偶者にバレた場合、慰謝料を請求され離婚に発展することもあるでしょう。
また、卒婚の状態では、新しく恋人ができたとしても、配偶者と結婚している状態なのですぐに再婚できません。
もし、お互いにほかの相手と恋愛しても卒婚の状態を継続したいという場合は、恋愛はしてもよいというルールを双方合意のもとつくっておくと、トラブルを避けられます。書面で残しておくとよいでしょう。
費用がかかる
卒婚するとなると、お互いが別々に行動することになるため、ある程度費用がかかります。
夫婦の分をまとめて料理して自炊していたのが、外食ばかりになると食費が増えます。週末別居となると、ホテルなどの宿泊費がかかります。
別居婚の場合は、2件分の家賃や光熱費がかかることになるでしょう。自由な生活が手に入る利点はありますが、ある程度の生活費がかかることは念頭においてください。
まとめ
離婚したいと思っても、世間体や子ども、親族への影響などを考えて離婚に踏み切れない方もいるでしょう。そこで新しい選択肢として卒婚が挙げられます。婚姻関係はそのままであまり関わらないでひとりの生活を楽しめるため、離婚まではすぐにしなくてもよいけれど距離を置きたいといった場合におすすめです。離婚のように法的な手続きを取らないため、配偶者以外と恋愛はしてもよいのか、卒婚でかかる費用をどう負担するのかといったルールを夫婦間で決める必要があるでしょう。