離婚の示談の大まかな流れとは?料金相場も把握しておこう!
離婚の意思が夫婦の間で固まり、示談になったとき、どのような流れで示談を進めたらよいのでしょうか。そして、示談金の相場はいくらくらいで、どのように決まるものなのでしょうか。今回は、そうした示談の大まかな流れと共に、示談金の決まり方についてまとめました。
離婚の示談の大まかな流れ
離婚の示談はどのように進むのでしょうか。大まかな流れについて見てみましょう。まず、離婚の合意と子どもの親権の取り決めがあります。夫婦の双方が離婚に合意することで示談交渉が始まりますが、未成年のお子さんがいる場合は親権の取り決めができないと離婚できませんので、それも一緒に決めておきます。次に、慰謝料、財産分与、養育費といった金銭に関する取決めを行います。
ここは交渉の世界になってきます。離婚という人生でも大きな出来事の中で、冷静な気持ちを保ちながら過度に不利にならないよう、慎重に交渉を進めましょう。相手に非があって離婚するのに、離婚を急ぐがあまり交渉で大きく譲歩を許してしまうようなことは、本来ならあってはならないことです。きちんと後からでも納得のできる交渉ができるように心掛けましょう。
こうした取り決めができた上で、最後に示談書の作成と離婚届の提出という流れになります。人生でなかなか経験しないことでもありますので、不安な場合は弁護士に相談することも大切です。きちんとした知識と経験を持った人に立ち会ってもらい、一緒に交渉を進めてもらうことで、後に遺恨のない交渉になります。お金は掛かりますが、大事なことですので、検討してみることをオススメします。
離婚の示談金の料金相場
続いて、離婚の示談金について見ていきます。いざ示談金の交渉を始めようにも、示談金の相場はいくらくらいなのかわからないと交渉も難しいと思います。示談金の金額はその夫婦の状況によってかなり異なるため、相場も10万円から800万円前後とかなり幅があります。示談金として想定されるのは離婚慰謝料や財産分与になりますが、お子さんがいればお子さんの養育費をどうするかということも絡んできます。
これについては、裁判所が「養育費・婚姻費用算定表」というものを公表しています。たとえば「0歳から14歳の子どもが1人おり、養育費を支払う側も受け取る側も共に年間400万円の給与収入がある場合」だと、2万円から4万円となっています。
また、不倫相手がいる場合の慰謝料の検討もあります。財産分与では、夫婦で築いてきた財産をどのように分けるかということがあり、不動産や預貯金の他にもマイホームの残債の分け方も議論になります。加えて、夫婦で積み立てた年金をどう分配するかということも重要な議論になります。
そして、今後のお金の負担についての交渉では、二人の離婚後の生活にも関わってくる問題もあります。こうした金額以外のこともいろいろ考慮しながら交渉を進めていく必要があります。このように、示談金の金額に関わってくる事柄は多様にあり、夫婦の事情によってもどれを考慮するべきかがだいぶ大きく異なってくるため、先述のように大きな幅があり一筋縄にこのくらいという金額の目安を示すことはできません。
ただ、各々の条件についていくらくらいで検討するべきかについては、先例や法律の定めなどを見ながら決めていくことになるでしょうから、やはり弁護士のような専門的な知識と経験を持った人に立ち会ってもらって決める方がよいと考えられます。お金のことで後になってもめたり心にモヤモヤを抱えてしまったりするようなことは避けるべきです。弁護士費用は掛かりますが、その分、後悔のない示談金交渉をしましょう。
離婚の示談書の書き方を学ぼう!
さて、最後に示談書の書き方を見ておきましょう。ここまでいろいろ議論して決めてきたことをどのように書けばよいのでしょうか。基本的には、次の3つのことを明確に書いておくことになります。
「離婚する合意ができたこと」
「お子さんの親権をどちらにするかということ」
「慰謝料、財産分与、借金の清算などの金銭的な取決めの結果」
さらに「お子さんがいる場合に養育費の金額と支払い方法」
一つ目と二つ目は、離婚届が受理されるための要件ですので、必須のこととしてきちんと確認できるように明示しておきます。三つ目は、金銭的なことですので、これも重要です。弁護士の立ち会いの下で取り決めたことを抜け漏れなく書いておきましょう。
どのような理由で、どのような議論の経緯によって、その金額や支払い方法に合意したのか、といったことも書き込んでおくと、あとでもめにくいかもしれません。どのように書くべきか、事前に弁護士に相談してみましょう。
今回は、示談交渉の大まかな進め方と示談金の決まり方について見てきました。離婚の条件など事前に決めておかなければならないことがあること、示談金の金額は夫婦にまつわる条件によっても大きく異なることがおわかりいただけたかと思います。お金の問題でもありますし、今後の生活にも関わってくることがあります。そして、先例や法律によるところもあるため、弁護士に立ち会いを依頼してお互いに後悔のない交渉をしてください。