離婚までの期間は最短でどれくらいかかってしまう?
弁護士に離婚の相談をしてから、最短でどれくらいの期間がかかるのかをまとめます。もちろん双方が同意していれば役所で書類を提出するだけなのですが、問題は相手が同意していない場合です。
著名人のケースなど非常に長い期間がかかるのを目にすることもありますが、ここでは早期解決を目指す場合にどのようにすべきかを解説します。
なぜ離婚成立までに時間がかかるのか
離婚成立までに長いケースでは年単位で期間を要することもあります。すっきりしない状況で何年も引きずるのはかなり精神的負担が大きいですが、なぜそんなにも成立までに時間がかかるのか原因をまとめてみましょう。
まず大前提として相手の同意が得られないことが挙げられます。理由としては、純粋に別れたくないと主張している場合もありますし、すでに別居していて音信不通状態というケースもあります。
親権や財産分与、慰謝料などの条件に納得できず、同意しないとする場合もあります。条件に関してはなかなか合意にいたらないことが多く、子供の親権の取り合いでこう着状態になるケースは少なくありません。
また、別れたくないという主張の内容もさまざまで、感情面以外にも相手の収入に頼っているので経済的に応じられないという場合もあります。婚姻関係が継続している限り収入が多いほうが配偶者の生活費を負担する義務が生じるため、居心地の良い別居状態を手放したくないという状況も実はあるのです。
こうした場合、調停をおこない、そこでも折り合いがつかなければ裁判に持ち込んで成立させるしか手立てがなくなります。裁判となると非常に長い期間を要することになり、結果的に年単位に及ぶ期間がかかることになるのです。
平均的にどれくらいの期間がかかっているのか
それでは現在、日本で離婚成立までにいったいどれくらいの期間がかかっているか、平均的な目安を調べてみましょう。手段としては、協議→調停→裁判という順番になり、先に進むごとに期間が延びることになります。
状況によるので一概に言えませんが、おおむね以下のとおりとなっています。協議が一番早いケースだと1日で成立します。条件で合意できない場合は、数か月から1年程度の見込みです。短くても4か月から6か月程度が目安となります。
長い場合は1年以上かかるケースもあります。裁判少なくとも6か月から1年以上がかかり、成立まで最も長い期間を要します。場合によっては調停不成立後に裁判所が離婚の決定を下す審判離婚となる場合もあります。
前述のとおり、最短では1日、一番スピーディーに成立が見込めるのが協議離婚です。この場合、当事者だけで話し合いをする以外にも、弁護士を入れて話し合いを進めるという手段も取ることができます。
いずれにしても関係者だけで協議し、合意と同時に役所で書類手続きをする形になります。決めるべきことはたくさんありますが、成立まで最短で進めるならこの手段を取るのが一番でしょう。
ともかく迅速に結論を出すために確実なのは、弁護士を立てることです。当事者だけだと感情的な言い争いになりますので第三者の意見を聞くことは重要ですし、弁護士であれば正しく夫婦間に入ることができます。法律に精通した専門家がいるだけで心強いですし、実績のある弁護士なら納得の行く具体的な解決策を提示できるでしょう。
早く成立させるためのポイントを解説
精神的な負担の大きい話し合いを、なるべく早く決着させるのにはいくつかのポイントがあります。まずはなぜ別れたいのか、その理由と意志を明確にすることが第一段階です。
特に一方的に話を切り出した場合、相手側はなぜなのか、理由を明確にすることを要求するでしょう。相手に決意を伝えて納得してもらうためには、まずこのプロセスが欠かせません。
内容によっては面と向かって言いにくいこともあるかもしれませんが、そうした場合は弁護士を通じて伝えることもできます。第三者の口から聞くことで、相手が初めてリアルに認識できるのも事実です。
また、それでも納得しないという場合は、別れる意志が固いことを強く相手に明示するのがポイントです。人によってはうやむやにしてやり過ごしたいと考える場合がありますので、逃げられる話ではないと覚悟してもらうことが重要です。
次に早期決着させるポイントは、要求を妥協することです。問題になるのは慰謝料や親権、財産分与などですが、要求を全部飲ませようとすると当然協議は長引きます。当然の権利だと考えるかもしれませんが、早く解決するためには要求に優先順位をつけ、ある程度は妥協をすることです。
こうした条件面の交渉は当事者では難しい場合も多いので、代理人として弁護士を立てて法的な観点で解決案を提示してもらいましょう。
離婚にかかる期間は、揉めてしまうと年単位でかかってしまう場合もありますが、協議で済めば最短1日で成立させることもできます。調停や裁判になると精神的にも苦痛ですし、早期に成立させるためには協議で決着を目指すのが一番でしょう。
ただ、当事者だけで言い争いになると、合意にいたるのが難しくなることも少なくありません。実績ある弁護士を代理人として間に立て、法的な視点から合理的な解決案を提示してもらうのが早期解決へのポイントです。