多産DVとは?女性へのリスクと相談先、離婚する方法をご紹介!
多産DVは、女性の心身に負担を与え、尊厳も大きく傷つけます。多産DVは子どもを産めば産むほど解決しにくくなる問題なので、そのまま放置しておくと被害は大きくなってしまうでしょう。今は問題がない夫婦でも、万が一のために対処法を知っておくことは大切です。今回は、多産DVの解決方法や相談先について解説します。
多産DVとは?
多産DVとは、強制的に妊娠・出産を繰り返させ、女性の権利を侵害するDVのことです。もちろん双方が望んでいる妊娠・出産は多産DVではありません。身の回りには、子どもがたくさんいて幸せそうな家庭も多くあるでしょう。しかしその中には、夫の考えだけで無理やり妊娠を繰り返させた結果として子どもを多く産むことになってしまい、心身が深く傷ついてしまっている女性も少なくないのです。多産DVをする夫は妻の心身のケアをしないケースが多いので、何も対処せずに子どもを産み続けてしまうと妻の心はボロボロになってしまいます。
多産DVがもたらすリスク
子どもを産むことは、女性にとって命懸けです。一人の子どもを育てるだけでも大変なのに、同意なく何度も妊娠させられる多産DVの心労は計り知れません。この問題を解決するためには、多産DVにはどのようなリスクがあるのか夫と妻の両方が知っておくことも重要です。ここでは多産DVのリスクについて解説します。
心身の健康が崩れる
妊娠・出産・子育ては、尋常ではない体力を使います。これらはまさに命懸けといってもいいほど大変なことなのです。妊娠・出産後は精神的にも不安定になることも多くあるにもかかわらず、無理やり強制的に妊娠させられてしまうと女性の心身が疲れ果ててしまっても仕方ありません。
離婚しにくくなる
子どもがいる家庭では、金銭的な問題で離婚を戸惑ってしまう方も少なくありません。1人の子どもを育てるだけでもかなりのお金が必要なのに、子どもが4人5人と増えた場合にはお金がさらに必要になるため、どんどん離婚しづらくなってしまうでしょう。夫から逃げたくても、子どものことや金銭的な問題を考えてしまい、多産DVから逃げられないというケースが多くあるのです。
自由がなくなる
子どもが生まれた最初の1、2年は、付きっきりで子育てをする必要があります。それにもかかわらず、何人も子どもを産んでしまうと妻が自由に過ごすことのできる時間は必然的に減ってしまうでしょう。もちろん夫が積極的に育児をしてくれるのであれば妻側も少しは自由な時間はあります。しかし多産DVが発生している家庭では夫が家事や育児をしないケースが多いので、妻は非常に強いストレスを感じても仕方ありません。
多産DVの解決方法
多産DVは、正しい知識や対処法を知っているだけで未然に防げるケースも多くあります。早めの対処で深刻化を防いだりすることも可能です。ここでは、多産DVの対処法についてご紹介します。
夫と話し合う
まだ日本では、多産DVという言葉を知らないという方も少なくありません。夫と話し合いができそうな場合は「実はもう子どもを産みたくない」「育児に疲れてしまった」など素直に話してみましょう。妻の気持ちを夫がわかってくれれば解決に向かうこともあり得ます。しかし、まったく話を聞いてくれなかったり暴力を振るわれたり、侮辱する言葉を使ってくるようであれば離婚した方がいいかも知れません。
妻側が避妊する
夫がどうしても避妊してくれない場合は、妻側で避妊するという方法もあります。ピルや子宮内避妊具など夫に気づかれにくい方法で避妊することも可能なので、自分に合った避妊方法を選択しましょう。
弁護士に相談する
実際に多産DVが行われている家庭の場合、夫とまともに話し合うことが困難なケースも多く存在します。その際には、弁護士に相談することも一つの選択肢です。弁護士に依頼すれば交渉を弁護士が行ってくれるので、話し合いのストレスからは解放されます。
離婚する
話し合いを何度したにもかかわらず、夫が妻の意見を聞かない場合の最後の手段です。離婚をして妻が子どもを引き取る場合、妻はシングルマザーとして働かなければならないため、妻の負担は増加するかも知れません。しかし、今の時代シングルマザーでも稼ぎ方はたくさんあるので夫がまったく理解してくれないときには「離婚」という選択肢があることは忘れないでください。
多産DVの可能性がある場合の相談先
「多産DVかもしれない」と少しでも思った方は、第三者に相談することをおすすめします。ここでは具体的な相談先を3つご紹介します。
産婦人科医
かかりつけの産婦人科がある方は、相談してみましょう。多産DVとは定義が難しいものでもあるため、自分の状況が多産DVであるか否かを知りたいという方はまずは産婦人科にいってみることをおすすめします。
配偶者暴力相談支援センター
保護を希望している場合は、自治体が運営する配偶者暴力相談支援センターを利用することも考えましょう。話を聞いてくれるだけでなく、相談期間や保護施設の紹介も行っています。匿名でも電話でも相談が可能です。
一時保護シェルター
緊急性が非常に高い時は、一時保護シェルターを利用してください。無料で最大2週間匿ってくれます。この2週間の間に、夫がいない新しい環境を整えたり、弁護士に相談して離婚の手続きを進めたりすることが可能です。
まとめ
ここまで多産DVの解決方法や相談先について解説しました。多産DVは、夫だけでなく妻も気づいていないケースも多くあります。早めの対応で深刻度は抑えられるので「もしかしたら多産DVかもしれない」と思ったら、すぐに信頼できる友人や産婦人科などに相談することをおすすめします。