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夫婦で共有名義の不動産は勝手に売却してもいいの?

公開日:2021/12/01  最終更新日:2021/10/27


不動産の共有名義には、「持分」という概念があります。結論からいうと、共有名義の不動産でも、自分の持分である「共有持分」は勝手に売却することができますが、ほとんどの場合あとから大きなトラブルになることは避けられません。この記事では、「持分とはなにか」「トラブルを防ぐには」といったことについて解説します。

共有名義と共有持分は別物

はじめに「持分」とは何かについて説明します。土地や建物といった不動産を個人が所有する場合、ひとりが単独で所有する「単有」と複数人が共同で所有権を持つ「共有」に分かれます。この「共有」の場合、不動産を購入した出資金額に応じて「持分」が定められます。

つまり「持分」とは、各共有者がその不動産をどれくらい所有しているかを示すものといえます。所有権が単有であれば、土地や建物といった不動産の売却や活用もその所有者の好きなように決められますが、共有の場合にはそうはいきません。その土地や建物全体を売却、活用する場合には、原則共有者全員の合意が必要になります。

以上から、共有持分は「所有権の割合を示す「値」」であり、共有名義は「名義人が複数いるという「事実」」を指すものといえます。共有名義の不動産については、なにをする場合にも共有者全員の合意が必要となるのが原則です。ですが、はじめにお伝えしたように、おすすめできないものの「共有持分の売却」については合意なく行うこともできます。そのことについて以下で説明します。

共有持分は勝手に売却してもいい

共有名義の不動産全体の売却や活用については共有者全員の合意が必要ですが、不動産に対する「共有持分」については、前述したように「不動産を購入した出資金額に応じて持分が各共有者に定められる」ので、自由に売却することが可能です。この自身が所有している「共有持分の売却」についてはほかの共有者の同意もいらなければ、通知さえ必要ありません。

それではなぜこの「共有持分の売却」がおすすめできないかというと、「通常かなり早い段階でほかの共有者に勝手に売却したことがバレてしまい、大きなトラブルになる」ことが考えられるからです。というのも、「不動産の共有持分」は、買ってもその不動産の全部を活用できるわけではないので一般の業者には売れません。

そこで「共有持分買取業者」に購入してもらうことになります。ですがこの「共有持分買取業者」にとっても、不完全な共有持分だけ持っていても活用できません。そのためこの共有持分買取業者は、不完全な不動産の権利を完全なものにするため、ほかの共有持分を持つ権利者に残りの共有持分の売却話をもちかけます。

この時点で、共有持分を勝手に売却したことがほかの共有者にバレてしまい、大きなトラブルに発展するケースが多いのです。これらの理由から「共有持分は勝手に売却することができるが、おすすめしない」ということがいえます。

共有名義の不動産を売却したいときは?

前述したように、共有名義の不動産の「共有持分」の部分だけを共有持分買取業者に売却することが可能です。しかし、共有持分だけを勝手に売却してしまうとほぼ必ず、ほかの共有者との間で大きなトラブルになってしまいます。そういったトラブルを避けるためには、なによりもまず共有状態にしないことが大切です。

「共有状態にしないための方法」は2つあります。

1つは、「購入時に共有持分の発生する状態にしないこと」です。不動産の購入の際に、全額をどちらかが負担する形であれば共有持分は発生しません。購入した人がひとりでその不動産を所有する単有の形となり、その不動産を自由に扱うことができます。

2つ目の方法は「早めに共有物分割をしておくこと」です。この方法は、すでに共有持分が発生している状態を解消するための方法で、そのやり方は3種類あります。まず、「現物分割」という土地を分割して分けるやり方、次に「代償分割」というひとりがほかの共有者に代償金を支払って単独で不動産を取得するやり方、最後に「換価分割」という不動産を売って売却金を分けるやり方です。

これらの共有物分割を行うことで、勝手に共有名義の不動産の一部を売却されてトラブルが生じるのを避けることができます。不動産の共有トラブルが生じると、多くの場合、共有者同士の関係がこじれ、双方ともに不利益が大きくなることも少なくありません。

ですので、困ったときやどう対処すればよいか分からないときには、不動産関係に詳しい弁護士へ早めに相談することをおすすめします。早めに相談することで、自分に合った「共有状態にしない方法」「共有状態を解消する方法」「共有名義の不動産を売却に持っていく方法」を聞くことができ、未然にトラブルを防げるでしょう。

まとめ

ここまで、「共有名義」と「共有持分」についてを中心に、不動産の共有と売却に関わる知識について解説しました。「共有名義なのだから共有持分は自分の自由にできるはず」というのはある点では事実なのですが、勝手に売却してしまうとほかの共有者にバレてしまい、自分自身の大きな不利益に繋がりかねません。共有持分のある不動産を売却したい場合、まずは弁護士に相談し、売却までのプランを練ることをおすすめします。

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