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別居してから何年で離婚できる?離婚に必要な期間や注意点を解説!

公開日:2023/03/01  


夫婦生活がうまくいかず、別居を選ぶケースも、今の世の中では少なくはないといえます。離婚をしたくても、別居してから何年の時間がたてば、正式に離婚ができるのか、細かいポイントを熟知しているという人は少ないのではないでしょうか。今回の記事では、離婚に必要な別居期間や注意点について解説します。

別居していると離婚しやすくなる?

離婚の際、相手と合意ができない場合、協議離婚、調停離婚、裁判離婚という形で段階が進んでいきます。最終手段である裁判離婚を行い、離婚を成立させるには、司法に認めてもらうための法定離婚原因が必要です。

法定離婚原因とは、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと、そのほか婚姻を継続し難い重大な事由の5点が該当します。合意が得られず、裁判離婚まで進んだ場合、法定離婚原因の存在が重要となりますが、別居は法定離婚原因にあてはまるかどうかが論点となります。

結論からいえば、別居は法定離婚原因に該当するのです。まず、これまでに夫婦で生活費を共有して捻出していた場合、別居したことで相手側に生活費を支払わない形となるので、悪意の遺棄にあたる可能性があります。次に、別居期間が長くなるほど、婚姻関係がすでに破綻しているものと評価され、そのほか婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があるのです。

つまり、別居をしていれば、法定離婚原因として認められる可能性が高くなるといえます。過去の判例をみると、5~10年の期間で別居をしている場合は、離婚請求が認められるケースが多いため、5年程度別居していれば、離婚請求が認められるものと理解しておきましょう。ただし、離婚請求が司法に認められるかどうかは、単純に別居している期間だけで判断するのではなく、夫婦のかかえる事情は夫婦それぞれで異なります。別居期間だけが離婚請求のすべてではないという点は忘れないようにしましょう。

離婚前に別居しておく利点

次に、離婚前に別居しておくことのメリットを説明します。

離婚が認められやすくなる

裁判離婚まで発展した場合、法的離婚原因が必要です。離婚前に別居しておくことで、そのほか婚姻を継続し難い重大な事由として、法的離婚原因を堂々と主張ができます。婚姻関係がすでに破綻しているという点のアピールにもなり、裁判所が離婚請求を認めるための重要な要素となります。

意思の強さが伝わる

転勤や単身赴任などの要因がなく、夫婦が別居をするということは、異常事態です。別居をするということは、本気で離婚をしたいと考えていることの意思表示になります。別居の期間が長くなればなるほど、本気さが相手に伝わるため、協議離婚に応じやすくなる可能性も高くなるのです。

離婚前に別居するときの注意点

次に説明するのは、離婚前に別居をする際に注意しておくべき点です。

経済面

今後の生活面で、生活費の見通しを立てておくことは大前提です。安定した仕事を探し、計画的に行動することをおすすめします。また、配偶者よりも収入が少ない場合、離婚成立後に財産分与を受けられる可能性が高いです。財産分与を受けるためには、結婚期間中に、相手が取得した財産の把握が重要となります。銀行の預金通帳など、中身の記録を取っておき証拠を集めておくとよいでしょう。

子どものこと

別居をする前に、子どもの対応を考えておくことも重要です。子どもを連れて別居をする際は、学校の転校手続きなども必要となるかもしれません。児童手当の受取人が自分ではない場合は、変更手続きも行う必要があります。別居後に、子どもが相手に連れ去られる可能性もあるので、ケースバイケースで対応も考える必要があるでしょう。また、子どもの心のケアも重要です。親の都合で子どもに迷惑をかけている事実と向き合い、子どもの気持ちを考えながら行動することも必要なことといえます。

持ち出すものをまとめておく

貴重品や当面生活可能な生活用品は持ち出すべきです。その際、相手名義のものを持ち出すのは自身が不利になる恐れがあるため、離婚や財産分与など裁判に有利となる資料はコピーを持ち出すなど、工夫するようにしましょう。

別居してから離婚するときのポイント

別居してから離婚する際、あらかじめ注意しておく点です。

無断で別居しない

夫婦には同居の義務があります。相手に断りなく家を出ることは悪意の遺棄として、不法行為となる可能性があるのです。そうなった場合、離婚理由を作った側として扱われてしまうかもしれません。したがって、相手には別居する意思を伝えることを忘れないようにしましょう。

別居中の異性との交際

別居期間中に異性と関係ができることも少なくないでしょう。その際、別居前から交際していた、不倫によって別居に至ったと思われないことが重要です。不倫でないのであれば問題はありませんが、余分な詮索や疑いを生む恐れもあるため、離婚が成立するまでは、異性と交際しないという覚悟が必要になります。

離婚に向けた準備

弁護士のアドバイスを参考にして、少しずつ準備を始めるとよいでしょう。なるべくよい条件で離婚を成立するために、自分が有利となる証拠を集めることは大切なことです。財産分与や養育費など、経済面に関しては、相手の収入や資産など状況を把握しておきましょう。また、子どもの親権を取るには、子どもの養育にどれだけ関わっていたかなどの事実についても裁判所を納得させられるような資料があれば、有利に進められるでしょう。

まとめ

離婚に応じず離婚裁判まで進んだ場合、法定離婚原因が必要です。別居は法定離婚原因に該当するという判例もあり、5年以上別居をしていれば離婚が認められると考えられます。別居後に安定した生活が送れるかどうか、子どもの問題も含め、計画的に行動する必要があります。裁判離婚を有利に進めるためには長い期間になりますが、足元をすくわれないように気をつけて、毅然とした対応をとり続けることをおすすめします。

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