実家依存症の人と離婚できる?注意点も紹介
実家依存症とは、心理的・感情的に過度に実家に依存する状態のことです。しかし、その状態が原因で、夫婦間に問題が生じるケースも少なくありません。配偶者が実家依存症であることを理由に、離婚を考えている方もいるでしょう。そこで本記事では、実家依存症の人と離婚できるのか、注意点を含めて解説します。
実家依存症とは?
実家依存症とは、結婚している夫婦をどちらかが、精神的・経済的に必要以上に実家に依存している状態を指す言葉です。家族である以上、実家は大切な存在なので適度に付き合うことは問題ではありませんが、依存してしまうと夫婦関係を悪化させる原因のひとつになります。
なお、実家依存症は明確な基準がなく、気がつきにくいものなので、どのような特徴があるのか見ていきましょう。
まず、必要以上に実家に帰りたがることが特徴です。普通の夫婦なら、年末年始やお盆など年に数回実家に帰るのが一般的であるのに対し、実家依存症の人は週末ごとや毎日のように実家に帰りたがる傾向があります。
また、実家依存症の人は実家の近くに住みたがるのも特徴といえるでしょう。普通なら、職場や子どもの学区、駅からの距離などを基準に住むエリアを検討するものですが、実家依存症の人は実家の近くに住むことの優先順位を高くもっています。もちろん、育児や家事の協力を受けやすくなるのはよいことですが、無理に実家の近くに住むことを選び、通勤時間や通学距離が長くなって家庭環境が悪化する可能性があります。
さらに、実家依存症の人は何か困ったことや決断をする際に、いつも実家に相談をするのも特徴です。家庭内の問題は夫婦間で話し合いをして解決するのが望ましいといえます。実家に関係することなら相談するのは問題ないですが、夫婦間・家庭の問題でさえ実家に相談を持ちかけるのは実家依存症の可能性が高いといえるでしょう。
アスペルガー症候群の配偶者と離婚できる?
結論として、アスペルガー症候群を抱える配偶者との離婚は、通常の一般的な離婚手続きと同じように行うことができます。
ただし、配偶者が納得してくれれば手続きを進めることができますが、相手が離婚を拒否した場合は離婚が認められない、もしくは手続きが難航するケースがあります。というのも、相手が離婚を拒否した場合は離婚調停が必要になり、裁判所に離婚を認めてもらう必要があるからです。
その際、「配偶者がアスペルガー症候群だから」ことだけが理由であれば、離婚が認められにくいでしょう。裁判では、民法第770条に定められている離婚事由に該当しているかどうかが争点となります。
たとえば、「相手が不貞行為をしていた」「3年以上の生死不明」「強度の精神病にかかってしまい、回復の見込みがない」「生活費を渡さない」などが挙げられます。このほか、夫婦間の愛情がなくなり、関係が破綻している場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由」という項目に該当し、離婚が認められるケースがあるようです。
なお、夫婦関係の破綻とは、すでに別居している、過去に何度も離婚の話し合いをしている、一緒に住んでいるものの接触がないなどといった場合に認められやすいといえます。このように、民法第770条に定められている離婚事由に該当しているかどうかが重要なポイントとなるため、該当する理由があればアスペルガー症候群の配偶者との離婚であっても手続きを進められるでしょう。
離婚するうえで注意すべきポイントとは
離婚は夫婦関係の解消であり、手続きを進めるうえで注意点があります。
まず、冷静な判断と情報収集を行うようにしましょう。「離婚したい」という感情のもと、つい衝動的に動いてしまいがちですが、親権や財産のことなどを優位に進めるためには、冷静な判断と事前の情報収集が大切です。また、長年一緒に生活したことで気持ちが揺らぐこともありますが、自身の幸福や将来を考え、離婚が適切な選択であるか慎重に判断しましょう。
次に、充分なコミュニケーションと話し合いを行うことが大切です。離婚に至った背景や問題点について、相手との間で率直に話し合う必要があります。感情的な対立を避け、冷静かつ建設的なコミュニケーションを心がけましょう。
また、子供の利益を最優先に考えることも大切です。夫婦間に子どもがいる場合、子供の将来や進学先などを考え、親権や面会交流の取り決めを話し合いましょう。離婚したことで子どもの生活や未来に悪い影響をおよぼすことがなく、安定した環境を提供するよう考えるのがポイントです。
そのほか、財産分与についても注意すべきポイントのひとつでしょう。財産分与は離婚手続きの一部であり、夫婦の共同所有財産や婚姻期間中の財産の分割を行います。公正な取り決めをするために、財産の明確な把握や評価、専門家の助言を受けることが重要です。
まとめ
配偶者が実家依存症である場合、家庭環境が悪化したり、夫婦仲が悪くなったりする可能性が高く、離婚を検討する夫婦が多くなるでしょう。お互いが離婚に納得すれば問題ありませんが、実家依存症である配偶者が拒否した場合、実家依存症であることだけが理由では、裁判で離婚が認められにくい傾向にあります。適切な離婚を進めていくためには、情報収集や専門知識が必要になるため、専門家への相談を積極的に検討するのがおすすめです。