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離婚後に再婚すると相続権はどう変わる?知っておきたい基礎知識

公開日:2025/12/01  

再婚

離婚後に再婚すると家族構成が変わり、相続権の範囲や割合も変化します。配偶者や子どもの関係性が複雑になり、トラブルにつながるケースも少なくありません。将来の安心を確保するためにも、再婚後の相続権の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。離婚後に再婚すると相続権はどう変わるのか、基礎知識を解説します。

再婚後における配偶者の相続権

離婚後に再婚すると、新しい配偶者が法律上の相続人となり、前の配偶者との関係は消滅します。ここでは配偶者の立場から相続権を見ていきましょう。

再婚後の配偶者は常に法定相続人

法律では配偶者は常に相続人に含まれると定められています。再婚すれば新しい配偶者が相続権をもつ一方、前の配偶者は法律上の関係が完全に切れるため相続権は失われます。

たとえば離婚から数年後に元配偶者が亡くなったとしても、離婚をしていれば一切相続権は発生しません。

再婚配偶者と子どもの相続割合

配偶者と子どもが同時に相続人になる場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子どもが残りを等分して取得します。前の結婚で生まれた子どもと再婚後の子どもが同時に存在する場合も、全員が平等に分け合うのが原則です。

子どもの出生時期や婚姻関係の有無は相続割合に影響せず、法律上の子であれば権利は等しく認められます。

再婚相手の立場を守る工夫

再婚後は前の配偶者との子どもも相続人となるため、新しい配偶者が不利な立場に立たされることもあります。とくに不動産や預貯金が多い場合、遺産分割協議が難航しやすいのが現実です。

生前に遺言書を作成し、配偶者に多めの割合を指定しておくことは、無用な争いを避ける手段のひとつです。

子どもの相続権と再婚の影響

再婚をすると子どもの相続権も変わる場合があります。血縁関係の有無や養子縁組の有無で大きく異なるため、注意が必要です。

前婚の子どもは相続権をもつ

前の結婚で生まれた子どもは、親が離婚してもその子どもと親との血縁関係は消えません。したがって再婚しても前婚の子どもは依然として実親の法定相続人になります。

父母どちらの親が亡くなっても、相続人として法的に権利を主張できます。

再婚相手の連れ子と養子縁組

再婚相手に子どもがいる場合、その子どもは血縁関係がないため、養子縁組をしない限り相続権は発生しません。しかし養子縁組をすれば実子と同じ扱いとなり、相続権をもつことになります。

養子縁組を行うと再婚相手の親族との間にも相続関係が発生するため、想定外の相続人が増える可能性がある点には注意が必要です。

子ども同士の相続トラブル

再婚家庭では、前婚の子どもと再婚後の子どもが同時に相続人となることが多く、遺産分割協議で対立が生じやすくなります。

たとえば再婚相手の配偶者と前婚の子どもが協力できず話し合いが長期化することも珍しくありません。親が元気なうちに相続について話し合ったり、遺言書を準備しておくことがトラブル防止につながります。

相続権をめぐる注意点と対策方法

再婚後の相続では法律が定める原則を理解したうえで、具体的な対策を取ることが大切です。

遺言書の作成で意思を明確にする

遺産分割は法律で定められた割合に従いますが、遺言書があればその意思が優先されます。再婚後に特定の配偶者や子どもに財産を多く残したいと考えるなら、遺言書の作成が不可欠です。

公正証書遺言を利用すれば効力が強く、形式不備で無効になるリスクも避けられます。

遺留分に注意する

遺言書で財産をすべて再婚相手に残したいと書いた場合でも、前婚の子どもには遺留分という最低限の取り分が認められています。遺留分を侵害すると相続争いにつながるため、バランスを考えた財産配分が求められます。

遺留分に関する理解が不足するとトラブルが避けられないケースも多いため、事前に専門家に相談することが安心につながります。

生前贈与や保険の活用

相続対策は遺言書だけではありません。生前贈与や生命保険の受取人指定を利用すれば、スムーズに財産を渡すことができます。とくに再婚家庭では現金や不動産の扱いが複雑になりやすいため、複数の方法を組み合わせることで円滑な承継を目指すことができます。

再婚家庭では相続関係が複雑になることを前提に、早めに専門家へ相談して準備を進めることが安心につながります。

まとめ

離婚後に再婚すると、相続権は新しい配偶者や前婚・後婚の子どもに複雑に絡み合います。新しい配偶者には常に相続権が発生し、前婚の子どもも血縁関係がある限り相続権を持ち続けます。さらに養子縁組をした子どもも相続人となり、予想以上に多くの人が関係することになるのです。法律上の割合に従えば公平ですが、現実には配分をめぐって争いになることも少なくありません。こうしたトラブルを防ぐには遺言書の作成や生前贈与、保険の活用などを組み合わせることが有効です。遺留分を侵害しないよう配慮しつつ、家族が納得できる形を整えておくことが大切です。正しい理解と計画的な対策を取ることで、安心して新しい人生を歩むことができるでしょう。

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