離婚成立までにはどれくらい時間がかかる?離婚方法ごとに異なる!
いざ離婚するとなったとき、実際に離婚届を提出して離婚成立までにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。実は、離婚の方法や話し合いの進め方によってもだいぶ変わってきます。すんなり行くこともあれば、長い期間を要する場合もあります。今回の記事では、おおよその期間についてまとめましたので、目安の参考にしてみてください。
離婚方法ごとの離婚成立までにかかる時間の目安
さっそくですが、実際に離婚が成立するまで、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。それは離婚の方法によって異なります。離婚の方法には、次の3つがあります。「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」です。
それでは、それぞれの離婚の方法について、離婚成立までの流れと共に、離婚成立までにかかる時間の目安を見ていきたいと思います。
まず、協議離婚の場合です。協議離婚は、夫婦が離婚の条件などを話し合いで決める方法です。夫婦で離婚について話し合い、離婚について合意し、離婚条件なども決めた上で離婚届を提出するという流れになります。したがって、夫婦だけで離婚に関する話し合いができれば、裁判所など第三者を介在する必要はないので、話し合いの進み方によっては、早く離婚を成立させることができます。
離婚が成立するまでの平均期間は半年から1年程度といわれています。これは夫婦の間で話し合いがまとまるかどうかによります。つまり、その日のうちに離婚の協議をまとめて「即日離婚」というスピード離婚も可能である一方、夫婦だけで話し合うので、つい感情的になってしまったり、離婚条件について双方で異なる意見や考えがあって揉めたりすると、話し合いがまとまらず、離婚成立までの長い期間を要する可能性があるので注意が必要です。
次に、調停離婚の場合です。調停離婚は、裁判所の調停を利用した離婚です。調停は裁判所の手続きの中でも話し合いに重点を置いた手続き方法で、話し合いによる問題解決を目指すのが特徴です。何度か離婚調停を行い、成立または不成立が決まります。
調停と調停の間の期間は、その時の裁判所や調停委員の空き状況によりますが、概ね1ヶ月のようです。8割型の夫婦が4回までの調停で成立か不成立が決まるようですので、離婚成立までは概ね半年程度を見ておけばよいでしょう。ただし、調停離婚の場合は、調停を重ねた結果、不成立になり、離婚できない場合もあります。
最後に、裁判離婚の場合です。裁判離婚は、その名の通り、裁判による離婚の手続きで、夫婦双方の主張や証拠を持ち寄って議論し、最終的に裁判官の判決で離婚を決める方法です。裁判を行うため、裁判の準備に掛かる時間や判決までの時間が掛かってきます。
離婚に至るまでの期間は、平均的には1年前後といわれているようです。ただ、裁判官が証拠を確認しながら判決に至るので、そうとうの時間が掛かることを覚悟する必要はあります。このように、それぞれの方法の特徴と手間、時間を考慮して、望む離婚の方法を検討するとよいと思います。
離婚手続きが長引いてしまうケースとは?
離婚手続きが長引いてしまうケースにはいろいろありますが、よくある例としては次の3つがあります。
一つは、夫婦で離婚に対する意見が異なるケースです。夫婦の片方は離婚したいが、もう一方は離婚したくない場合です。このような場合は、そもそも離婚しなければならないのかどうか、というところから議論を始めなければならず、双方が離婚の手続きに向けての議論の席に着けるまでに時間が掛かってしまうことがあります。
二つ目は、細かな離婚条件にこだわるケースです。財産分与の方法や金額に強いこだわりがあるような場合は、その条件の摺り合わせがうまくいかず、交渉に時間を掛けてしまうことがあります。不貞行ためによる離婚の場合も、慰謝料の合意になかなか至れず時間が掛かってしまうことがあります。
最後に三つ目は、離婚のときに子どもがいるケースです。子どもの養育費や親権についての合意がなかなか得られずに時間が掛かってしまうことも。子どもが未成年の場合は親権が決まらないと離婚できないため、まとまるまで何らかの形で話し合いを続けることになります。
離婚手続きをスムーズに進めるためには?
最後に、離婚手続きをスムーズに進めるために気を付けておきたいことをまとめておきます。ここでは4つ挙げたいと思います。
まず、「何を決めるかをはっきりしておく」ということです。交渉ごとを進めていくと、だんだん話がそれて行ってしまうようなこともあります。あらかじめきちんと何について合意しなければならないかを明確にしておきましょう。
それと同時に、「いつまでに決めるか」も決めておきます。これはダラダラとただただ交渉が長引いてしまうことを防ぐためです。お尻を決めて、それまでに確実に合意に至るように双方で考慮する姿勢を作りましょう。
そして、「交渉する事項に優先順位を付けておく」ということもポイントです。最も重要な事項はこだわるとしても、それ以外は譲歩も考えてみましょう。
さらに、「専門家の手も借りる」というのも手です。議論を円滑に進めるために、専門家の知見を借りることもよいと思います。
今回は離婚に掛かる期間についてまとめました。双方が納得のいく離婚条件を決める話し合いをどのように進めるかによって、離婚届の提出に至るまでの期間が変わってきます。お互いの状況によっても、どんな話し合いをしなければならないかが変わってくると思います。そうしたことを考慮して、もっともお互いにとって負担が少ない方法を選んでください。