離婚調停を自力で行う利点とリスク!弁護士に依頼するのと何が違う?
離婚調停を申し立てることになり、自力で行うか弁護士に依頼するかどうかを迷っている方もいるでしょう。そこで今回は離婚調停の際に、弁護士に依頼する場合と自力で行う場合、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。弁護士に依頼するかどうかを迷っている方はぜひチェックしていただき、特徴をおさえたうえで判断しましょう。
離婚調停を弁護士に依頼するメリット
まずは離婚調停を弁護士に依頼するメリットを見ていきましょう。
■時間と労力を節約できる
はじめての離婚調停で何をすればよいかわかならいときでも、弁護士がガイドしてくれるので、調べる手間や不安から解放されます。また、離婚調停に必要な書類の準備から提出までも、弁護士に任せることができます。さらに、弁護士が入ることで離婚調停がスムーズに進み、調停が終わるまでの期間を短くできることも期待できます。
■有利に調停を進めることができる
離婚調停では調停委員に自分の意見を話さなければなりません。このとき、弁護士がついていれば、法律の知識や経験から、どうすれば自分の主張が通りやすくなるかをアドバイスしてくれます。また、相手に離婚の原因がある場合などは、証拠になるものや有利になる資料を弁護士が集めてくれます。このため、離婚調停を自分に有利に進めることが期待できます。
■精神的な負担を少なくできる
離婚調停の申し立てにあたり、配偶者と連絡をとらなければならない可能性もあります。もし配偶者と話すことに不安や嫌な気持ちがあれば、弁護士に相手への対応を任せることができます。また、調停当日も調停を行う部屋に弁護士が同席することが可能です。その場で弁護士が意見を出したりしてくれるので、安心できます。
離婚調停を弁護士に依頼するデメリット
次に離婚調停を弁護士に依頼するデメリットについて見ていきます。
■弁護士費用がかかる
弁護士費用は主に、相談料+着手金+成功報酬という内訳です。相談料は無料の弁護士事務所もあります。着手金は必ずかかり、30万円前後が相場です。成功報酬は調停離婚が成立し際に発生します。ただし弁護士事務所により何を「成功」とするのか異なることがあるので確認が必要です。成功報酬の金額は、依頼内容や事務所によって変わりますが、30万円前後が相場です。離婚調停の成立によって経済的な利益があった場合は、その利益の10%程度が上乗せされることもあります。
■弁護士選びを失敗すると余計に時間と負担がかかる
離婚調停が得意でない弁護士に依頼した場合、反対に調停がスムーズに進まないことがあります。態度が好ましくなかったり、人間性の信頼できない弁護士に依頼すると、さらに精神的な負担が増えてしまいます。だからといって、遠方の有名な弁護士などに依頼するのも、日程の調整が難しく時間をロスする恐れがあります。
離婚調停を自力で行うメリット
次に離婚調停を自力で行うとどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
■費用を抑えられる
弁護士に依頼すると、さきにお伝えしたように費用が発生します。離婚後に収入が変化する可能性があり、コストを抑えることを優先したいという方は、調停離婚を自力で行うこともよいかと思います。実際、離婚調停の場合は、調停委員の質問に対して回答していくかたちなので、法律的な知識は必要なく、自力で行うことも可能です。
離婚調停を自力で行うデメリット
最後に、離婚調停を自力で行うデメリットについて見ていきましょう。
■手間と時間がかかる
離婚調停には必要な書類がいくつかあります。書類の準備や提出を自分で行うのは、働いている方や子育てをしている方にとっては難しいかもしれません。また、書類の不備があれば、さらに時間と手間が発生します。
■離婚調停が成立するまでに時間がかかる可能性がある
離婚調停は、双方の意見を調整して離婚を目指すものですが、この意見の調整がなかなかできないと、調停が長引くことがあります。離婚調停は3カ月~半年で成立することが多いのですが、長いと1年かかるケースもあります。
■精神的な負担が大きい
離婚調停は何度か調停委員と話をすることになります。そのたびにいろいろな質問をされるので、すべてをひとりで考えて回答するのは精神的な疲労も大きいかと思います。また自分の考えを調停委員にうまく主張できない場合は、自分にとって不利な方向に進む可能性もあります。
離婚調停が終わると調停内容をくつがえすことはできません。準備が不充分だったり、うまく意見を主張できなかったことにより、自分に不利な内容で調停が成立するのを防ぐには、弁護士に依頼するのがおすすめです。しかし、離婚調停は自力で行うこともできるため、今回ご紹介したメリット・デメリットをご参考に、弁護士に依頼するのか、自力で行うのかの判断をしていただければと思います。離婚調停は時間だけでなく労力もかかる場合が多いので、事前に覚悟しておいた方がよいでしょう。