介護離婚が増えている?介護が原因で離婚に至る理由を解説!
離婚の理由はさまざまですが、その背景に介護がある場合も少なくありません。実の親の介護でさえ大変なのに、義理の親の介護となるとさらにストレスは大きくなるでしょう。配偶者と介護へ考え方が違う場合も離婚に発展しがちです。今回は、介護を理由に離婚できるのか、介護が原因で離婚する理由、介護離婚を回避する方法についてご紹介します。
介護を理由に離婚することは可能なのか
そもそも、親族間で協力し合って行うはずの介護を一人で負担することになったら、ストレスが日々たまり、離婚に発展してしまうこともあります。介護を理由に離婚はできるのでしょうか。いくつかのケースを見ていきましょう。
離婚できるケース
夫婦の合意によって協議離婚する場合は、配偶者に意思を伝えて協議離婚を目指します。また、法定離婚自由のいずれかにあたる場合も、離婚できる可能性が高いです。
法定離婚自由とは、配偶者に不貞行為があったとき、配偶者の生死が3年以上不明なとき、配偶者から悪意の遺棄にあったときなど5つの項目です。
介護が原因で夫婦関係が破綻している場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき、という項目に該当すると判断されます。この場合、相応の重大性が必要となり、介護の負担がどれほど大きいかや、それに対して配偶者の協力や感謝がないことを主張することが有効です。
難しいケース
自分が離婚の主な責任を負う有責配偶者であり、配偶者が離婚を拒否している場合には離婚は難しいです。配偶者が離婚に同意せず、離婚裁判に発展した場合でも、有責配偶者からの離婚請求は認められない傾向にあります。
介護が原因で離婚に至る理由
多くの場合、介護によるストレスなどが原因で離婚にいたりますが、それだけにとどまらない多くの問題点があげられます。
配偶者が非協力的
最も多い原因や理由ですが、配偶者が介護に協力的でないため、その他の家事分担にも偏りがあり、一人に負担がかかりすぎてしまうことがあります。
義理の両親だからといって、配偶者が介護をする義務はなく、親切心や愛情から介護をしているにもかかわらず、理解や感謝がない場合、夫婦一緒にいる意味がなくなったと感じるでしょう。せめて感謝の一言をかけてくれたり、愚痴を聞いてくれたりすれば、ストレスもそれほどたまらず、介護をしようという気にもなるはずです。
親族が非協力的
配偶者に兄弟姉妹がいるにもかかわらず、長男・長女だからという古い考えで、介護の負担を押しつけられることは、離婚したいという気持ちになってしまいます。介護の負担はみんなで少しずつ協力していくべきです。
そもそも不仲
嫁姑問題が元気だったころからあった場合には、介護が必要となるとさらに嫌気がさしてしまう人もいるでしょう。介護は心身共に負担がかかるため、愛情だけで乗り切るのは相当難しいです。
また、介護が始まる前から夫婦仲が良くなかった場合には、親の介護が必要になった場合、さらに不仲に拍車がかかることがあり、それが離婚へと発展する可能性があります。
配偶者の介護
今まで好き勝手されてきた配偶者に介護が必要になったとしても、介護に意欲がわかなかったり、これから先一人で介護をしていくことに不安を感じたりする場合、離婚を考えてしまうことがあります。たとえ、配偶者に対する愛情が深くても、介護は体力的にもきつく、心もすり減ってしまうため、離婚に至ることもあります。
仕事を辞めざるをえない
介護の負担が大きく、日中も仕事に出ることができなくなった場合、仕事を辞めざるを得なくなるケースもあります。介護を理由に生活が一変し、一人で介護を続けるなかで、孤独感や疎外感が増すことで、離婚を考えてしまう人もいます。
介護による離婚を回避する方法
配偶者の介護を負担に感じて、離婚を考え始めた場合、とにかく離婚と急ぐのではなく、まずは離婚を回避する方法がないか考えてみましょう。
配偶者の理解
一人で介護に向き合っている場合には、配偶者に理解を求めましょう。介護離婚を避けたい場合には、できるだけ早い段階で介護の大変さを共有し、理解してもらうことで精神的な苦痛から、少しは解放されるかもしれません。
親族の協力
三等親以内であれば、介護義務があるため、協力を要請してもなんの問題もありません。義理の兄弟姉妹が近くに住んでいるのであれば、協力をあおぎ、同居していて苦しい場合には、義兄弟、義姉妹に引き取ってもらうなどの対策をとりましょう。
サービスの利用
被介護者の認知力や体力低下が進んでいる場合には、要介護認定を受けることでデイサービスなどを受けることができるので、自分たち夫婦や親族にかかる負担を軽減できます。
施設への入所
要介護が上がった場合、施設への入所を検討すべきです。自分たちだけで介護するよりも適切な介護が受けられ、本人にとっても家族にとっても良い結果になるケースが多いです。
介護は体力的にも精神的にもとても負担のかかることなので、ストレスが限界に達する前に配偶者に相談したり、専門家に相談したりして一人で抱え込まずに解決する方法を探しましょう。