準備は慎重に!離婚する際に離婚届けと共に用意するべき書類とは?
離婚するときの手続きは、やや複雑なところがあります。離婚の方法だけでも3つあり、それぞれで必要な手続きや提出書類が異なります。対応に期限が付いているものもあるため、あらかじめ段取りと必要なものを把握しておき、手際よく準備を進める必要があります。今回は離婚届の提出前に知っておきたいことについてまとめました。
離婚する際に離婚届けと共に用意するべき書類
離婚する際、離婚届を提出して終わりということではない場合があります。離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つがあり、それぞれで用意するべき書類が異なります。ここではそれぞれについてまとめておきます。
まず、協議離婚の場合についてです。この場合は、提出する書類としては基本的に離婚届だけで問題ありませんが、本人確認のためにパスポートや運転免許証といった本人確認書類が必要ですので、忘れないように持参しましょう。次に、調停離婚の場合についてです。離婚届以外に必要な書類が3つあります。
一つ目は戸籍謄本です。ただし、本籍がある市区町村に届け出るときは不要です。
二つ目は、申立人の印鑑ですが、離婚届に相手方の署名捺印は不要です。
三つ目は、調停調書の謄本です。これは離婚調停が成立したときに取得できます。調停成立の日から10日以内に届け出をしないと、過料(罰金)が科される場合がありますので注意しておきましょう。
そして、裁判離婚の場合についてです。この場合の提出書類は4つです。
一つ目は戸籍謄本です。裁判離婚の場合も本籍がある市区町村へ提出する場合は不要です。
二つ目として申立人の印鑑も、調停離婚の場合と同じく相手方の署名捺印は不要です。
三つ目は、調停調書の謄本で、離婚裁判が成立したときに取得できます。
ここまでは調停離婚の場合と似ていますが、最後に四つ目として、判決確定証明書が必要です。
判決が確定した際に、判決確定証明申請書を裁判所に提出することで取得できます。これも、判決確定の日から10日以内に届け出をしないと、過料(罰金)が科される場合がありますので注意しておきましょう。ここまで見てきたように、離婚が成立してから離婚届の提出までに期限が付く場合がありますので、必要に応じて前もって準備できるところは準備しておくことが必要でしょう。
離婚届の書き方を解説!
離婚届は指定の書式に抜け漏れや誤字脱字のないように記入します。法務省のサイトに記入例が載っているので、そちらも合わせて参照してみてください。届け出の日付から見ていきましょう。離婚の方法によっては、この届け出日が離婚成立から10日以内でなければならない場合があるので、注意してください。
氏名は、婚姻中の氏名を記入します。そして、漢字は戸籍通りに記入する必要があるため、旧字体を使っている場合は気を付けてください。
父母の氏名の欄は、少し注意が必要です。養父母の場合は、「その他」の欄に記入することになります。届出人欄の署名と捺印は、代筆が許されず、本人によるものでなければなりません。認印でもよいですが、ゴム印は不可です。
最後に、調停離婚の場合の証人の欄は、20歳以上の証人を2人選んで、記入・捺印してもらう必要があります。夫婦に頼むこともできますが、その場合は、印鑑を別にしてもらう必要があります。それ以外の部分は、概ね記入例の通りに記入していけば問題ありません。
離婚届の書き方、提出方法に関する注意点
最後に、離婚届を作成して提出するまでに必要な注意点をまとめておきます。まず、離婚届の作成にあたっての注意として、書き間違ったとしても修正液を使えません。書き間違えたときは、初めから書き直すか、二重線で修正した上で修正印を押印します。
次に、提出前に整えておかないといけないことがあります。はじめに決めておくべきこととして、離婚した後の戸籍をどうするかということと子どもがいる場合の親権と子どもの姓をどうするかということがあります。戸籍については、結婚前の籍に戻すか、新しく作るかが選べます。子どもの親権をどうするかが決まっていないと、離婚届を提出しても受け取ってもらえませんので注意してください。
次に、証人を2人選びます。証人は、一般的には双方の両親がなることが多いようですが、友人や知人にお願いすることもできます。ここまでできていれば、離婚届を提出できます。最後に、当然ですが、離婚する夫婦の双方が離婚に合意していないと離婚届を提出しても受理されません。もしも離婚届を勝手に提出されてしまった場合は、別に手続きを経ることになりますので注意してください。
今回は離婚届を提出する前に知っておきたいこと、準備としてやっておくべきことについてまとめました。離婚の直前は、ご自身のことでもいろいろ大変なことがあって、手続きに気持ちを向けることができないこともあるかと思いますが、期限がある手続きなどはうっかり忘れてしまうと、また踏むべき手続きが増えてしまって負担が重くなるばかりです。きちんと必要なことを把握して提出に臨んでください。