
離婚調停を弁護士に頼むと何をしてくれるの?依頼するメリットを紹介
離婚調停は感情的な対立や法律的な手続きが絡むため、当事者同士で進めるのは難しいです。離婚をスムーズに進めるには弁護士に依頼し、法的なアドバイスを受けながら冷静に交渉を進めたほうがよいでしょう。本記事では、離婚調停を弁護士に依頼する具体的なメリットについて紹介します。
離婚調停とは
離婚調停とは、夫婦間の離婚に関する問題を解決するための手続きのひとつで、家庭裁判所で行われます。
離婚を望む夫婦が、直接の話し合いでは解決できない問題(財産分与・養育費・親権など)について、第三者である調停委員の助けを借りながら話し合うのが特徴です。
調停について
調停は、夫婦の一方が申し立てを行い、家庭裁判所が指定した日時に出席する形で進められます。
通常、夫婦は同じ場に顔を合わせず、個別に調停委員と話を進めます。離婚の合意にいたった場合、調停調書という書面が作成され、調停調書には判決と同等の法的効力があります。一方、調停で合意にいたらなかった場合は、離婚裁判に移行する場合もあります。
調停離婚において弁護士が果たす役割
調停離婚において、弁護士は依頼者の代理人として重要な役割を果たします。
以下では、主な役割について紹介します。
依頼者の代理人になる
まず、弁護士は離婚調停の代理人として、依頼者に代わって調停の申立てを行います。
家庭裁判所に出頭し、調停の席に同席して、依頼者が自らの立場を説明しにくい場面では、弁護士が依頼者に代わり調停委員とコミュニケーションを取ります。弁護士に依頼すれば、依頼者は直接調停委員に話す必要がなくなり、弁護士が依頼者の代弁者として調停を進めてくれます。
依頼者の意見を的確に調停委員に伝える
調停では、当事者が自分の希望をわかりやすく、かつ論理的に述べる必要がありますが、感情的な対立や専門的な法的問題が絡むため、当事者自身が的確に自分の意見を伝えるのは難しいです。
弁護士が代理人であれば、相手方からの意見に対する反論や、依頼者の希望を調停委員に的確に伝えられるため、依頼者にとって有利な状況を作り出せます。
依頼者とともに方針を検討し戦略を立てる
相手にどのような提案をするのか、また調停委員からの提案に対してどう対応するのかなど、進行中に発生するさまざまな問題に対して、弁護士は依頼者に適切なアドバイスを行います。
状況に応じて、提案を受け入れるべきか訂正を求めるべきかなど、細かな判断をサポートしてくれるため、依頼者は冷静かつ適切な判断を下せるのです。
調停委員に依頼者の意見を理解してもらいやすくする
調停離婚では直接相手方と顔を合わせて話をするのではなく、主に調停委員を通じて意見を交わす形式が取られます。
調停時に重要なのは、調停委員に自分の意見を理解してもらい、場合によっては味方につけることです。調停委員もひとりの人間であり、どちらかの立場に共感した場合、意見を通そうとする可能性もあります。
調停委員の共感を得るため、弁護士は調停委員に対して依頼者の立場や意見を説得力をもって伝え、依頼者の有利に話が進むようにサポートします。
離婚調停を弁護士に依頼するメリットとは
離婚調停時の弁護士の役割について解説しました。
次に、離婚調停を弁護士に依頼する具体的なメリットを以下で詳しく解説します。
調停が有利に進みやすくなる
離婚調停は、夫婦間の財産分与や養育費、親権など多岐にわたる問題を取り扱うため、戦略的な対応が必要です。
弁護士は調停を有利に進めるための方針を立て、依頼者の意向を反映させながら将来のトラブルを避けられるよう配慮した離婚条件を提示します。最適な離婚条件は、離婚後の生活や子どもの将来に悪影響を及ぼすリスクを最小限に抑えるためにも非常に重要です。
手間が大幅に軽減される
離婚調停の申立てには申立書の作成や収入印紙、郵便切手の購入、そして家庭裁判所への提出など多くの手続きがともないます。
また、調停が進むにつれ、裁判所とのやり取りや調停委員からの反論書面の提出が求められるかもしれません。弁護士が代理人であれば、必要な書類作成や証拠探し、家庭裁判所との連絡調整など、手続き全般を代行してくれるため、依頼者自身が直接行う必要がなくなります。
スムーズに調停を進められる
調停は基本的に話し合いを中心に進行するため、相手が説得力のある話し方を得意としている場合、調停委員が相手の主張に共感してしまう可能性があります。
しかし、弁護士が代理人としてついている場合、依頼者自身が上手に話をできなくても、弁護士が的確に調停委員に依頼者の希望や意見を伝えてくれます。話し下手な方でも不利になることなく、スムーズかつ公正な形で調停が進行するでしょう。
訴訟を見越した対応が可能
離婚調停は必ずしも成立するとは限らず、不成立の場合は離婚訴訟に進むことがあります。
不成立となる可能性を踏まえて、調停の段階から訴訟を視野に入れた主張や証拠提出が必要です。弁護士であれば、訴訟に備えて適切な主張を準備し、調停のなかで相手の主張に対して効果的に反論できます。
また、訴訟に移行すべきか、あるいは妥協して合意すべきかの判断も、弁護士の経験と知識を活かして冷静に対応してくれるでしょう。
離婚が成立した後も安心できる
調停離婚が成立した後は、10日以内に役所に離婚届を提出する必要があるうえ、その後も保険の切り替えや年金分割などの行政手続きが発生します。
弁護士がついていれば、必要な手続きをスムーズに進められ、わからないことがあってもすぐに相談できるため、離婚後も心置きなく生活をスタートできるでしょう。
まとめ
離婚調停は、夫婦間の争いを解決するための重要なプロセスであり、弁護士の支援が大きな力となります。弁護士は、調停において依頼者の代理人として意見を代弁し、法的な助言を行いながら、調停委員との交渉を有利に進める役割を果たします。弁護士に依頼すれば、調停がスムーズに進み、手間やストレスを軽減できるだけでなく、訴訟に発展する場合にも備えられるでしょう。