離婚するなら知っておきたい養育費保証サービスとは?
日本では、養育費が途中で不払いになってしまうケースが少なくありません。この問題を解決するために注目されているのが養育費保証サービスです。しかしサービスの名前を聞いたことはあっても、具体的な内容はわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、今話題の養育費保証サービスの概要について解説します。
養育費保証サービスとは
養育費保証サービスとは、離婚の際に夫婦間で取り決めた養育費が未払いになったときに保証会社が催促や養育費の建て替えをするサービスです。保証会社によってサービス内容は異なりますが、保証金額は制限があり、無制限ではないことがほとんどなので注意が必要です。養育費の何パーセントを実際に受け取れるかどうかは利用する保証会社に必ず確認しましょう。また、サービスを利用するためには養育費に関して元パートナーと取り決めた合意書を用意し、保証会社に保証料を支払う必要があります。
養育費保証サービスを利用するメリット・デメリット
養育費保証サービスは、子ども育てる上で大切な養育費を確実に受け取れる便利なサービスです。しかし、利用するメリットが魅了的である反面利用する際に知っておいた方がいいデメリットも存在します。利用する際には、メリットとデメリットの両方を知ってから利用しましょう。
利用するメリット
当然のことですがもっとも大きいメリットは、養育費が確実に受け取れるという点です。養育費の不払いの背景にはさまざまな事情があります。「リストラに会ってしまった」「ギャンブルにのめり込み支払うお金がない」など養育費の取り決めのときには予想もしていなかったことが起こる可能性もあります。そんな時でも相手に代わって、保証会社が決められた額を支払ってくれるので助かる人は多いでしょう。
また、元パートナーと連絡を取る必要がなくなるというメリットもあります。まれに元パートナーとの関係が良好な方もいますが、基本的には会いたくない、連絡を断ちたいと考える方が多いものです。もし元パートナーと連絡を取る必要がある場合は、保証会社が代わりに行ってくれるのはメリットの一つといえるでしょう。
利用するデメリット
大きいデメリットの一つとして挙げられるのが、保証会社に保証料を支払わないといけないので、実際に受け取れる養育費の金額が減ってしまうという点です。保証会社によっては要求される保証料が高額のケースもあるので、利用する前に契約内容は確認しましょう。
また、保証会社は民間の会社なので倒産するリスクは当然あります。契約が途中で解約されるリスクもあるので、保証会社が倒産した場合の保証はどうなっていのかなど不明な点は担当者に必ず確認してください。
養育費保証サービスを利用する前にしておくべきこと
保証会社は、サービスがスタートすれば養育費を立て替えたり催促したりする義務が生じます。大きい額を保証してもらうためには、事前にしておくべきことが多くあります。ここでは、養育費保証サービスを利用するために前もってやっておくべきことについてご紹介します。
相手方と養育費について取り決める
毎月いくら、何日に養育費を支払うのか養育費について取り決める必要があります。金額が決まっていないと保証会社も養育費をいくら保証すればいいのかわからないので利用することはできません。
養育費保証サービスの利用について同意してもらう
養育費保証サービスを利用するためには、相手方の了承が必要です。万が一、相手方が何らかの理由でサービスの利用に反対し続けた場合は保証会社も保証できません。利用する際は、相手方にサービスを利用したい理由やサービスの内容を話し、説得しなければならない点は知っておきましょう。
保証料の負担を誰がするか決める
サービスを利用するための保証料は決して安くありません。養育費にプラスして相手方が保証料も支払ってくれるのが理想的ですが、その場合はサービスの利用を反対されてしまう可能性がある点は注意しましょう。自治体によっては保証料の補助をしてくれるところもあるので、調べてみることをおすすめします。
養育費保証サービスの利用方法
元パートナーがサービスの利用を承諾しなければ、契約を締結させることはできません。どのような理由でサービスを利用する必要があるのか説明しましょう。養育費保証サービスを利用するために必要な方法は以下の4つです。
1.必要書類の準備
本人確認書類と養育費を取り決めた書類の2つが必要です。養育費を取り決めた書類とは、合意書や調停証書などの養育費の支払い義務や金額が書かれた書類のことです。
2.保証会社のホームページで申し込みをする
保証会社のホームページで申し込みするのが一般的です。申し込みが完了すると、保証会社からの審査が入ります。審査は相手方の収入や努めている会社も調査されるので、経済状況によっては審査に落ちる可能性もあります。
3.契約を締結する
審査が通れば、契約の手続きに入ります。このステップで、用意していた必要書類を提出するのが一般的です。
4.保証料を支払う
保証料の支払いが完了し次第、保証サービスはスタートします。この時点で、もし元パートナーが不払いになっても保証会社から確実に決まった額の養育費を受け取ることが可能です。保証会社との間で交わした契約に基づいてサービスを受けましょう。
まとめ
ここまで、養育費保証サービスの利用方法や利用するリスクについて解説しました。養育費保証サービスは便利である反面、本来受け取るはずだった養育費の金額が減ってしまうというデメリットがあります。このサービスを利用するにしてもしないにしても養育費の取り決めは非常に重要です。話し合い自体が難しいケースもありますが、将来のことを考えて相手方と養育費についてしっかりと話し合うようにしましょう。