離婚で裁判を進めていくための流れとは?
離婚の話し合い、折り合いがつかない場合、離婚裁判に持ち込む流れとなることでしょう。離婚裁判の流れは大まかに「離婚訴訟をする」「口頭弁論を交わす」「裁判所から判決が下る」といった順序で進みます。実際には、さまざまな手続きや弁護士を雇うかどうかの判断もしなければなりません。
今回は、この離婚裁判を進めるための全体の流れについて説明しますので、離婚の話し合いでお悩みの方は、ぜひ参考までにどうぞ。
離婚裁判へ進む前にどんなことをするの?
できることなら協議で円満に離婚をしたいと考えていても、相手がいることなので、すべてが理想通りにおだやかに離婚できるケースの方が少ないかもしれません。離婚をするにあたり裁判を避けて通れないケースも実に多くあります。
離婚を進める先に裁判しか方法がないとなった場合でも、いきなり裁判を起こすことは法律上できません。前もって家庭裁判所に、離婚調停の申立をしなければなりません。これは「調停前置主義」という、離婚調停をあらかじめ行うことが定められていることが関係しています。そのため、離婚裁判を行う際には、原則として離婚調停において不調(話し合いの不成立)を通過していることが、裁判に進むうえで重農なポイントになります。
■離婚裁判で必要な書類とは?
離婚裁判へ進むことになった場合「離婚裁判の訴状」「離婚調停不成立調書」「夫婦それぞれの戸籍謄本」といった書類を用意しましょう。戸籍謄本は、本籍地の役所に行けば発行してもらえますが、本籍地が遠方の方やお忙しい方は郵送での取り寄せも可能なので、役所に問い合わせてみましょう。
離婚裁判の訴状は自分で作成する場合、費用はかからず、裁判所のホームページからダウンロードすることが可能です。また離婚裁判では、収入印紙代1万3,000円分が必要になり、さらに財産分与や養育費も離婚裁判で争うことになるのであれば、別途900円の収入印紙が追加になり、金額は地域の家庭裁判所によって異なりますが、東京の場合だと6,400円分の郵便切手の準備も必要になります。
どう進む? 離婚裁判の流れを知っておこう
家庭裁判所に訴状を提出すことが離婚裁判の第一歩です。この段階で離婚の訴えを正式に提起することになります。提出先は、訴訟先となる家庭裁判所離婚訴訟の当事者となる、配偶者の住所地を管轄する家庭裁判所となるでしょう。
訴訟が家庭裁判所に受理された場合、第1回口頭弁論期日が家庭裁判所から指定されます。期日が決まるタイミングで、相手側へも裁判所より呼出状が、訴状の複本と一緒に郵送される形になっています。被告は訴状を受け取り次第、書面に記載されている主張に対して、答弁書を作成して裁判所へ提出しなければなりません。
第1回口頭弁論は、訴状の提出よりおよそ1ヶ月経過してから行われ、訴訟の審理については1ヶ月に1回ごとに行われることとなるでしょう。審理の流れは、まず何の争いをしているのか整理をするための「争点の整理」をします。
次に「原告から証拠を提出」することとなるのですが、ここでは争いの事実の証拠を提出しなければなりません。続いて、原告である自分の主張を覆すため「被告からも証拠を提出」することとなります。
この流れを経ても収集がつかないようであれば、不貞行為の証拠の提出など、一方の主張の正しさが認められない限り、同じことの繰り返しとなり時間も労力もとても使うことになるでしょう。
離婚裁判は弁護士に依頼すると有利になるってホント?
離婚裁判自体は、弁護士に頼まずとも起こすことはできますが、弁護士に依頼した方がさまざまな助言をもらえる利点がありますので、できれば離婚専門の弁護士に依頼するようにしてください。また、先述した離婚裁判において必要な書面は、弁護士が作成しそろえてもらえますので手続きなど全てにおいて任せられるでしょう。
ちなみに、裁判は基本的に平日に行われるため、毎月平日に日程調整をするのは難しい方もいらっしゃいます。しかし弁護士に離婚裁判を依頼することで、弁護士が代理で行ってくれるので、自分が裁判所に行く必要もなくなります。相手と顔を併せたくない方も多いと思いますし、子育てや仕事で忙しい方からすれば、大いに助かることでしょう。
弁護士を依頼しておけば、口頭弁論など自分が言葉を発しなければならないとき、裁判官からの質問を受けたときのことを想定した事前練習を弁護士と予習しておくうことも可能です。事前に流れが分かっていれば精神的にも落ち着いて離婚裁判に挑むことができるでしょう。
まとめ
離婚裁判の流れだけを見ると、うまくいくか、不安に思う方もいるかもしれませんね。裁判と聞くだけでハードルの高さを感じてしまいますが、離婚裁判を得意とする弁護士に相談すれば、知識だけでなく、さまざまな手続きを任せることができます自分ひとりだけでは補いきれない部分を、大いにカバーしてくれるので、まずは離婚に強い弁護士事務所に相談してみることをおすすめします。
自分ひとりで裁判に挑むことも確かに可能ですが、自分だけでは、相手がどういった出方をするのか想像がつかないのが離婚裁判です。経験豊富な弁護士の力を借りることで、展開を読みやすくなりますし、結果を大きく好転させることができるでしょう。