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離婚した後の生活費は請求できるの?活用できる支援制度はある?

公開日:2021/09/01  


離婚を決意したら、離婚後の生活について具体的に考える必要があります。特に、離婚した後も生計を立てていけるのか、というのは大きな問題ですよね。そこで今回は、離婚の際にどんなものを相手に請求できるのか、また利用できる公的な支援制度はあるのか、ということについて解説していきます。

離婚後の生活費は請求できる?

離婚後は生活が大きく変わることが多いかと思います。そこで「生活費を請求できるのか」という問題が気になるところです。離婚後に請求できる生活費はあるのか見ていきましょう。

別居中は請求できるが、離婚後は請求できない

法律上、婚姻関係のある期間は、夫婦ふたりが同等の生活レベルを保たつようにしなければならない義務があります。そのため、たとえ別居中でも婚姻関係があるならば、収入の少ない方は「婚姻費用」と呼ばれる生活費を、相手に請求することができます。しかし、離婚した後は婚姻関係がないため、生活費を相手に請求することは一般的にはできません。

子どもの養育費は離婚後も請求できる

未成年の子どもがいる場合、子どもを養育をする方は、相手に養育費の請求ができます。養育費の支払い義務は、「親の生活に余力がなくても自分と同じ生活を保障するという強い義務(生活保持義務)」だとされており、収入が少ないことを理由に逃れられるものではありません。また、「養育費は必要ない」と断った後でも、あとから養育費を請求できることもあります。

公的な支援制度を活用できる

子どもの養育を自分がする場合、利用できる公的な制度がいくつかあります。どのような制度があるのかを見ていきましょう。

児童扶養手当

母子家庭または父子家庭などで、中学生までの子どもを養育する人が受け取れる手当です。各自治体に申請することができます。

児童育成手当

東京都などの一部の市区町村で行われている制度で、18歳未満の子どもを養育するひとり親などが受けられる手当です。支給額の条件が児童扶養手当と異なっており、児童扶養手当よりも敷居が低いと言えます。

ひとり親家庭医療費補助制度

18歳未満の子どもを養育しているひとり親とその子どもなどが、病院での自己負担額の一部の助成を受けられる制度です。各自治体により適用対象となる条件が異なるので注意してください。

母子(父子寡婦)福祉資金貸付

20歳未満の子どもを扶養しいている母子家庭または父子家庭などに資金を貸与してくれる制度です。各自治体の福祉担当窓口で申請することができます。また、各自治体ごとに貸付の条件が異なるので、注意しましょう。

自立支援給付金制度

20歳未満の子どもを扶養するひとり親に対して、就業支援を行ってくれる制度です。対象の講座を受講し修了することで給付金が受け取れます。

離婚時に貰えるかもしれないお金について

最後に、離婚をする際に請求できる可能性のあるものについて解説します。

財産分与

離婚の際、婚姻生活中に築き上げた財産を、相手に分与するように請求できる制度を「財産分与」と言います。財産分与の方法は大きく分けて3つあります。

まず1つ目は「清算的財産分与」といって、貢献度によって公平に財産を分ける基本的なやり方です。

2つ目は「扶養的財産分与」といい、離婚後に生活が厳しくなる方に、多めに財産を分けるやり方です。

最後に3つ目は「慰謝料的財産分与」といって、慰謝料が発生するようなケースのときに、離婚の原因をつくったことへの損害賠償の意味合いで、一方が多く財産を受け取るやり方です。

財産分与の金額は、基本的には夫婦間の話し合いで決めるようにされていますが、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。家庭裁判所の審判では、共働きか否かによらず、財産を2分の1ずつ分けるケースが多いようです。

慰謝料

離婚の原因を作った相手に対して、精神的苦痛の代償として「慰謝料」を請求することができます。請求額は、離婚に至った原因の内容や婚姻期間の長さなどさまざまな条件を考慮して決定され、100~300万円が相場です。慰謝料も基本は夫婦間の話し合いで決めることになりますが、話し合いでの決定が難しい場合は、弁護士を仲介させたり、調停を申し立てることもできます。

養育費

最初に紹介したとおり、未成年の子どもを養育する方は、相手に「養育費」の請求ができます。養育費についても基本は夫婦間で話し合って決めることになります。この時、金額のほか、支払時期や支払期間、支払方法など細部まで取り決めておくのが良いでしょう。

また、後から「言った言わない」の論争にならないよう、口約束ではなく、書面に残しておくことをおすすめします。さらに、公証役場で、公正証書にしておけば、相手の支払いが滞った場合に、差し押さえをすることができます。なお、夫婦間の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所で調停を申し立てることもできます。

 

離婚の際、相手に請求できるものがいくつかあることがわかりました。婚姻期間中につくった財産は、基本的に分配することができます。また離婚の原因をつくったのが相手の方ならば、慰謝料を請求することができます。さらに、子どもの親権を自分が持つならば、相手への養育費の請求のほか、公的な支援制度をいくつか利用できることもわかりました。離婚の際は、相手に請求できる権利などを正しく行使しながら、自分の納得のいく解決を目指しましょう。

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